KT88プッシュプルアンプ 構想と仕様(2)
設計の方向です。
(1)出力段
三極管接続で60Wの出力を得ることは無理なのでUL接続とします。ダンピングファクタの目標は15以上なので高NFアンプとなりますが、そのためには特性の良い出力トランスが必要です。今回は奮発して橋本電気のHW−60−5を採用しました。しかし、性能の良いトランスがNFBの足を引っ張ることになるとは気が付きませんでした.....。
(2)電圧増幅段
KT88のバイアス電圧は−50V〜−60Vになると予想されます。ピークtoピーク120Vでドライブするのは真空管でも半導体でも容易ではありません。今回は、5年ほど前に半導体アンプを製作した際に目をつけていたTI社のLME49810を使用します。この石はバイポーラプッシュプルアンプのドライバーとして開発されたものです。ところが、データシートをよく見ると特性グラフにはパワーアンプ完成体としてのものではなく、LME49810単体を電圧増幅器として使用した時のものが掲載されています。さらに、単体でのゲイン/位相周波数特性まで示されているではありませんか。ということは、この石は高電圧オペアンプとして使用できる可能性がある、というか使用できるということです。電源電圧は最大で±100Vもあり、出力として190Vp−pを得ることができます。真空管アンプのドライブ用としてぴったりです。
(3)電源回路
ヒータ以外のオペアンプ用の電源とB電源を安定化します。トランスは株式会社フェニックスのRコアトランスを使うことにします。
(4)実装構造
トランスの重量が大きく持ち運びに難儀するのでアンプ部はモノラル構成です。電源部も別筐体にします。配線は、真空管の周りを除きプリント基板を使うことにします。