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カテゴリー「EL84考察」の3件の記事

2016/02/20

EL84ppアンプ 完成、ヒアリングと考察(3)

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今回のアンプ製作で感じたことを書いてみたいと思います。


(ⅰ)予想より音が良かった
長い時間をかけ苦労して製作したアンプですから自画自賛になるのは致し方ありませんが、それほど期待していなかったので少し驚いた次第です。ダンピングファクタが低いことを気にしていたのですが、十分に楽しめます。真空管のアンプは、強い音を再生するときにその頂点に達する直前でふっと力が抜け音の色だけが残って音場が透明になったように感じる、という聞いていて耳に優しい表現が特徴だと思っています。その意味で十分な音質が得られたと思います。


(ⅱ)ものづくりは楽しい
自分で半田ごてを握って組み立て、スピーカから音が出た瞬間の感動は中学時代も今も全く変わりません。日本の電機産業は今ボロボロですが、ものづくりの精神は若い方に引き継いでいってほしいものです。



(ⅲ)部品の入手性はよくなったが高価
私のような地方在住者でも、通販を使えば国内外から様々な部品を入手することができます。東京の大学に行っている友人に秋葉原まで行ってもらったウン十年前とは隔世の感があります。ただ、価格に関してはBtoBの数倍から数十倍の設定です。アンプ製作が贅沢な趣味になっているのは残念です。



(ⅳ)真空管アンプに使える部品が少なくなっている
高電圧で使える部品の品種が少なくなっています。インバータやスイッチング電源向けの部品をうまく料理する技量が求められているのだと感じました。
トランスに関しても、廃業、規模の縮小、撤退が相次いでおり、ユーザーサイドの自由度が小さくなっています。市場規模が縮小し儲からないので、今の現状は理解できるのですが...。
頑張っているメーカーさんにはエールを送りたいと思います。




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2016/02/16

EL84ppアンプ 完成、ヒアリングと考察(2)

入力にはDC分をカットするRCハイパスフィルタを設けました。コンデンサにはフィルムタイプを使用することとし、銘柄はアンプが完成してヒアリングで決めようと考えていました。ということで、比較的入手性 がよい4種類を聞き比べましたので報告します。



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(ⅰ)AMCO フィルムコンデンサ 630V0.47μF (アムトランス)
芯のあるしっかりした音で、グッとくる低音の力強さが印象的である。中高音はキラキラした感じがあり、音楽を楽しく聞くことができる。全ての音がコンデンサ固有の芯の周りで展開する。今回試聴した中では、最も個性的な音と感じた。


(ⅱ)メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサ 400V0.33μF (PARC Audio)
よくまとまった音で、これがダメというところがない。ただ、今回聞いた4種類の中では最も自己主張が少ない、というか目立たない印象である。


(ⅲ)X363 ポリプロピレンフィルムコンデンサ 400V0.33μF (ASC)
これを使っておけば間違いないという音。自己主張は強くないが、どんなジャンルでもよい音と感じられるオールラウンダーである。多くの人が好んで使うのがよく分かる。


(ⅳ)ASP ポリプロピレンフィルムコンデンサ 100V0.22μF (ニッセイ)
分解能が高く、音楽の細かいニアンスを分かりやすく出してくる。どちらかというと高音寄りで、低音は弱く感じる。女性ボーカルの「シ」音が強調される感じがあるので、聴き疲れするかもと思う。もう少し容量の大きな品種があるとよいのだが...。



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SHANTIのFly Me To The Moonがとても気持ちよく聞けたので、今回はニッセイのASPを使用することにしました。




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2016/02/12

EL84ppアンプ 完成、ヒアリングと考察

いよいよEL88ppアンプのヒアリングです。
現在使っている半導体アンプと比べ、一聴して華やかで軽快な印象です。これはフィリップス社製の球に負うところが大かもしれません。地を這うような低音は望むべくもありませんが、ダンピングファクタが5しかないにもかかわらず、録音の新しいソースもそつなくこなします。現代型スピーカーの代表であるPL300との相性を心配したのですが、ポンづくこともなく気持ちよく聞くことができました。電源を安定化したからでしょうか、解像度もSNも申し分ありません。


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EL84は様々な機器に使われてポピュラーなためか、駄球の烙印が押されることがあります。今回製作してみて、全く的外れな評価であると感じました。EL84は内外の古い球が比較的安価に入手できますから、メーカ間の違いを楽しむこともできます。おすすめと言ってよいと思います。





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P.S.
 MJオーディオフェスティバルに行きたかったのですが、都合が悪くて今回は見送りになりました。残念です。