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カテゴリー「工具」の8件の記事

2017/08/18

真空管アンプ電源
 板金加工その2

今回は、パワー半導体と足の取り付けのためにタップを切りました。


下の写真は、私が持っているハンドタップです。



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タップは下穴を開けたあと、先タップ→中タップ→仕上げタップの順に切っていくと解説されています(上写真中央)。しかし、ネジがM3やM4だったりすると中タップ一本で切ることが多いです(上写真左)。今回は、一本で組みタップの機能をもっているというジェットタップを使ってみました(上写真右)。

下の写真は、中タップとジェットタップの先端を拡大したものです。



B2
中タップ


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ジェットタップ



下の写真はタップフォルダを使って作業しているところです。
タップ作業が終わったら、ネジがちゃんと切れているかどうかネジ穴に油を注いで実際のボルトを回し込んでいきます。これを何回か繰り返すことで切子を取り除くこともできます。



B4



板金加工が終わったら洗剤をつけて洗い、油分を取り除きます。下の写真は、水洗いの終わった部材を乾燥しているところです。



B5



下の写真は、穴あけ作業が全て終わったケース部材です。



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下の写真は、補強用の3mm厚アルミ板とケース底板です。



B7





2016/12/06

KT88pp Version2 組立と調整(4)

(Ⅳ)調整



今回の調整箇所はアンプ部のバイアス調整だけです。KT88のカソード電流を65mAに合わせます。



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私が持っている調整用ドライバーです。老眼が進んできていて、マイナス溝にドライバーの先が入らなくてイライラすることが多くなりました。製品であれば調整後にペイントロックしますが、アマチュアなのでロックはなしです。



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周波数特性を測定しています。



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歪率を測定しています。測定器の数値を用紙に書き写しています。測定に丸一日かかってしまうので、なんか時代遅れだな〜といつも感じています。



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2016/08/05

KT88プッシュプルアンプ 組み立て(プリント基板2)

絶縁シートですが、TO220やTO3Pのような定型サイズはネジやワッシャとセットにして販売されています。今回の使用したLM49810のような素子は自分で製作することになります。
下の写真は用具一式です。絶縁シートは信越化学のTC30AG1/8です。250mmX160mm、厚さ0.3mmでマルツ電波から購入しました。写真右の穴あけパンチはPOLARIS 3454です。M3のネジを通すのに最適な3.2mmの刃が用意されています。東急ハンズで購入しました。


Pt01







LM49810用のシートを4枚作成しました。穴あけのセンター位置がつかみづらく失敗作の方が多かったです。
Pt02





半田付けが終了したアンプ基板です。
Pt03






オペアンプ用電源の整流基板です。
Pt04






±15V安定化基板です。
Pt05






+465V安定化基板です。
Pt06







2016/08/02

KT88プッシュプルアンプ 組み立て(プリント基板)

プリント基板に部品を挿入して半田付けします。

工具一式です
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部品のリードは治具を使って曲げます。使っているのはサンハヤトのリードベンダーRB−5です。
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整流基板に半田付けしています。コテ先を部品のリードと基板のランドとの両方に当て、十分に熱したところでハンダを流し込みます。
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半田付けが終わりました。フラックスで汚れています。
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洗浄剤を使ってフラックスを除去します。フラックスを除去した後の整流基板です。
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洗浄には写真中央の太洋電機産業(goot)のBS−R20Bを使いました。現在は販売終了になっていて、代替品はBS-W20Bです。
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正直言って、代替え品はダメダメです。フラックスを少し柔らかくする程度の効能しかなく、洗浄剤とは言えないような気がします。主な成分は下記の通りです。

 BS−R20B : イソプロピルアルコール/トルエン/キシレン
 BS-W20B : メタノール/酢酸エチル/メチルエチルケトン

現在、一般人が購入できる洗浄剤の主成分はアルコールなので洗浄能力はとても低いです。別の用途に悪用する輩がいるので規制が入ったのか、人体への影響を考慮したのかは分かりません。
今後ですが、活性度の低いRMAタイプのヤニ入りハンダを使用し、見栄えが悪いのは我慢して無洗浄とするのが良いのかもしれません。能力の低いアルコール系の洗浄剤を使うと、かえって基板表面が汚くなってしまいます。





2016/07/26

KT88プッシュプルアンプ 板金加工(3)

KT88のソケットを取り付ける穴はΦ30です。今回はステップドリルではなくシャーシパンチを使いました。私が使っているのはHOZANのK−83です。今日はシャーシパンチを使った穴あけ作業の様子を紹介したいと思います。
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まず、センターボルトを通すためにΦ10の丸穴をあけます。
私が使っている電気ドリルでは、ドリル径8mmぐらいが限界です。これ以上の径では振動が大きくなって危険になります。そのような時はステップドリルを使うと安全に作業ができます。以前は8mmより大きな穴をあけたい時はリーマを使っていたので、今はずいぶん楽になりました。



下の写真は、10mmの丸穴にセンターボルトを通しウスとカッターをセットしたところです。右下がカッターで左上がウスになります。
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シャーシパンチの仕様はアルミで1.8mm以下となっています。穴を開けたいシャーシの厚みは2mmあるので、付属しているハンドルでは間に合いません。ハンドドリルの力を借りてハンドルの径を大きくし回転する力を増しています。
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ネジ切ったところでです。ネジ切った瞬間にふっと力が軽くなります。
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ネジ切った状態では、くり抜いた板金がウスとカッターの間に挟まっています。これを取り除きますが、厚い板ではなかなか取れなくて悪戦苦闘することがあります。
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ウスの側に若干のバリが出ますから、穴がそのままケース外側に露出する場合には注意が必要です。







2015/12/22

EL84ppアンプ 板金加工(3)

 ポンチでセンター位置を決めたら、次はドリルを使った穴あけです。私は、安価なワークベンチの上面だけを拝借し、これと電気ドリルスタンドを組み合わせ移動式のラックの上に固定して使っています。大きなものは難しいですが、今回のアンプケースぐらいだと楽勝です。
 本当はボール盤が欲しかったのですが、家族から却下されてしまいました。稼働率も低いですし、しょうがないですね。



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 よく言われていますが、いきなり大きな穴を開けようとしないで、面倒でも小さな径の穴から少しずつ大きくしていきます。切削油も必須です。私は2mm径のドリル刃から始めて、2mm刻みで大きくしていきます。板の厚みが1.5mm以上の時には1mm刻みにします。8mmより大きな穴はステップドリルを使います。これはとても便利な工具なので、超おすすめです。シャーシパンチも持っているのですが、切り口周辺に歪みが出てしまうのでΦ30以外はステップドリルを使うようになりました。Φ30より大きな穴を空けるために油圧パンチが欲しいと思うこともありますが、まだ未導入です。



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2015/12/18

EL84ppアンプ 板金加工(2)

 部品の配置が決まったら次はけがきです。完成後にけがき線が見えると興ざめですから、パネルの裏面に描きます。この時に便利なのが、松井精密工業のケガキゲージです。ノギスと同じ構造なので、0.1mmまで寸法出しができます。ホームページには墨付け工具と紹介されていますが、我々アマチュアの板金加工にも便利に使えます。おすすめです!



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 ボックス型のシャーシで上面パネルを取り外せない場合は、方眼紙の上に穴あけのポイントを鉛筆で書き込み、方眼紙をセロハンテープで貼り付けてその上からポンチを打ち込み穴の中心を決めていきます。

 けがきとポンチの作業は安定した定盤の上で行うのが正しいのですが、重くて大きな定盤を家庭内に持ち込むのは難しいです。また、錆止めを塗って表面を常にメンテナンスする必要があり面倒です。しかし、ポンチを打つ際に下が柔らかいと板金に歪みが出て最悪使えなくなってしまいます。必ず硬い金属の上で行うようにします。私はレールの廃材を使った金床を使っています。しかし、安定した平面でなく作業性も悪いので、ミニ定盤が欲しいと思っています。




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2015/10/06

EL84ppアンプ 試作実験

 設計とシミュレーションだけででは少し不安なので、試作して気になっていることを確認したいと思います。

 私はいきなり作ることはせず、まず”実体配線図”を作成します。ドローイングソフトはVisioを使っています。私が使っているのは2007年版で、確かWordなんかと同じ値段だったはずなんですけど、最新版はすごく高くなっていますね。電気図面をサポートしているProfessional版は5万円以上します。私のメイン環境(MAC OS)で動作するソフトに買い換えたいのですが、自作ステンシルが使えるという条件付きだとOmnigraffleしかないようです。

 下記図面が”実体配線図”になります。実験基板ですから関係のない部品も載っています。

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 電圧増幅段には2.54mmピッチの片面ユニバーサル基板を使います。この回路規模だと95×72mmのサイズで十分収まります。通販で安いのをまとめ買いしているのですが、手持ちを切らしているときに限って実験したいことが出てきます。そんな時は近所のパーツ屋さんに走りますが、そこはサンハヤト製しか置いてありません。秋葉原で安く売っている製品の3倍ぐらいしますけど仕方ありません。今回はサンハヤト製です。
 下記写真は製作中の基板です。


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 半田ごてはHAKKOのFX−888を使っています。以前は20Wと40W、60Wの3本のコテを用途によって使い分けていたのですが、この製品を買ってからはこれ1台で全てまかなえるようになりました。

 下記写真は半田付け工具一式です。


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