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下の写真はEagleで基板設計をしているところです。ディスプレイ2面を使って作業しています。回路図が頭の中に入っていれば1面でも問題ないです。しかし、回路図とボード設計を行ったりきたりすることもあるので、できれば2面欲しいところです。部品の検索とかを考えると3面が理想です。
下図は±15Vと±78Vの共通回路図です。共通の基板の上に2種類の電源を構成するため、あっちこっちにジャンパー抵抗が入っています。
下図はアートワーク図面です。赤が部品面で青が半田面になります。
左に入力がある時には右に出力をとるという配置にすると思います。ここでは電流ルートが最短になるよう、出力を左下に配置して配線しました。
下図は+460Vの回路図です。酸化金属皮膜抵抗を使いたくなかったので、基準電圧のところに0.5W300KΩを6本使っています。
下図はアートワーク図面です。太い線が少なくて、電源らしかからぬ基板になりました。浮動増幅器型定電圧電源の特徴かもしれません。高電圧部分が少なくて配線しやすかったです。
(Ⅱ)プリント基板の組み立て
プリント基板の半田面と部品面です
背の低い部品から取り付けていきます。
ほぼ完成です。
基板の洗浄については8月にも書きました。現状手に入るのはアルコール系でフラックスの除去能力には疑問符がつきます。下の写真で左側が太洋電機産業(goot)のBS−R20Bで販売終了品、右側が現行品のBS-W20Bです。
除去能力の劣る洗浄剤を使って汚くなるよりは、RMAタイプのヤニ入りハンダを使用し無洗浄で済ませた方がよいかもしれません。下の写真の左側が一般のもので右側がRMAタイプの半田です(まだ鉛入りの半田を使っているのか、というツッコミはなしです)。一般のヤニ入り半田はベタッとしたフラックスが残ります。RMAタイプは硬質の乾いたフラックスで、湿気を吸収しにくく経年変化が少ないのが特徴です。
(Ⅶ)プリント基板の設計
下図はEagleの回路図です。前回と比べ部品が少なくなっています。
下図は半田面のアートワーク図面です。前回はベタグランドを採用しましたが、今回は周波数帯域が狭いということでそれほど気を使いませんでした。±15Vと±75Vの間をパスコンのグランドをひらいながら太いパターンでつなげていき、その他の回路のグランドは100V100μF電解コンデンサのマイナス端子で一点アースにしています。
下図は部品面のアートワーク図面です。前回は端子台の金属部とパターンが接近してしまい絶縁シートを挟むということになってしまいました。今回は注意してアートワークしています。
下図は基板図になります。サイズは90mmX100mmで前回の69%の面積になりました。
私はプリント基板設計CADにCadSoft Computer社のEAGLEを使用しています。今回のアンプ製作からMAC版に乗り換えました。慣れるととても使いやすく、安定して動作するソフトだと思います。
下記はKT88電圧増幅段のアートワークを作成している時の画面です。
アートワークは結構楽しい作業です。なんというか、クロスワードパズルを解いているようなジグソーパズルをやっているような、そんな感じです。多くの方にチャレンジしてほしいと思います。
CADソフトが吐き出すファイル形式のままではPT板製作メーカへの発注はできません(Eagleに関しては、直接発注できるメーカーが欧州にあるみたいです)。業界標準のガーバーフォーマットに変換する必要があります。これはEagle上のdruプロセッサを使って行うことができます。しかし、druプロセッサ用としてEagleに標準で用意されているファイルを使うと半田面と部品面が逆さまになってしまいます。PT基板メーカーが用意しているdruファイルをダウンロードして使うのがよいと思います。
このように、CADソフト上で描いた図面とガーバーの画面とが食い違ってくることがあります。設計作業の最終フェーズで、「変換されたガーバーデータを直接確認する」ということが一般的に行われています。その際に使用するソフトがガーバービュアーです。
MACで使えるガーバービュアーを探したところ、Gerbvというオープンソースのソフトが見つかり導入することにしました。しかし、導入のハードルは結構高く、webでの情報にずいぶん助けられました。詳細は省きますが、次の5ステップが必要になります。
1) Javaの導入
2) Command Line Toolsの導入
3) Homebrewの導入
4) X11(XQuartz)の導入
5) gerbvの導入
下記は、Gerbvでアンプ電圧増幅段基板のガーバーデータを開いたところです。Eagle上の画面とはずいぶん違った印象を受けると思います。
下記は、Eagleに入力したアンプ電圧増幅段の回路図です。NFBのβ回路、トランス出力の位相補償回路、ローカルの電源安定化回路等も一緒に乗っています。最大出力時の振幅が大きいので、一部抵抗には1/2W型を使用しています
下記は部品面のアートワーク図面です。部品面の大部分はグランドになっています。できるだけ共通インピーダンスの影響を避けるように引いたつもりです。量産性など関係ないのですが、ダイオードや電解コンデンサ等の極性部品の方向は統一するようにしました。
下記は半田面のアートワーク図面です。半田面は信号の配線に使っています。入力のハイパスフィルタに使うコンデンサが決まっていなかったので、色々なサイズが使えるようにランドを複数設けました。
下記は基板図です。
サイズは130mmX100mmです。
出力トランス配線用にΦ40の丸穴を設けました。また。ケース取り付けの寸法誤差を吸収する為、基板取り付け穴は長穴としています。
下記は、Eagleに入力した±15V安定化回路、±75V安定化回路の回路図です。可変抵抗で出力電圧を可変できるようにしてありますが、調整後は固定抵抗に置き換える予定です。LM317とLM337は負荷電流が3.5mA以上ないと安定に動作しないとデータシートに記されていますので、出力電圧調整回路の抵抗(R3〜R6)に食わせるようにしています。
下記は部品面のアートワーク図面です。端子台下にパターンを通してしまったため(設計ミス)、組み立ての際には絶縁シートを敷くことになってしまいました。
下記は半田面のアートワーク図面です。±15V安定化回路に使用するFETはケースにねじ止めする予定なので、ドライバーが通る丸穴を設けてあります。
下記は基板図です。100mm X 60mmのサイズで、四隅に設けた取り付け穴以外に2つの丸穴(Φ10)があります。
下記は、Eagleに入力した整流回路の回路図です。抵抗はコンデンサの電荷放電用です。±75Vでは実装しますが、+465Vには別途放電回路が設けてありますので実装しません。また、CN5は±75Vでは実装しますが、+465Vでは実装しません。
下記は部品面のアートワーク図面です。ダイオードはTO220タイプで、放熱のためシャーシにねじ止めする場合は基板裏面に取り付けます。そのため、基板表面に実装する場合は裏返して取り付けることになります。
下記は半田面のアートワーク図面です。コンデンサはスナップインタイプとしました。パターンギャップは3.2mm以上取っています。
下記は基板図です。90mm X 75mmのサイズで、四隅に取り付け用の穴を設けてあります。
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