6V6&7591ppーーー6V6ULppのヒアリングと考察

最初は長谷弘工業のUMU-191MとStandard Electricの6V6GTYの組み合わせ、入力はアンバランスです。音が出てすぐに、これはいけると感じました。聴きやすい音で分解能も必要十分です。

球をElectro-Harmonixの6V6GTに交換してみると一皮剥けたではなく二皮ぐらいの違いがあってびっくりしました。測定ではこちらの方がダンピングファクタが低く出ていたのですが、実際に聞いてみるとバックロード特有のボワーンという低音が改善されています。

２球を比較すると、Standard Electricは暗い色調で音が前に出なくて高域の輝きがないです。ピアノは楽しくない感じで、音がくすんでいる印象を受けます。Electro-HarmonixはSNがとてもよく、少しキツく感じるものの輝かしい中高域が魅力的です。

入力をバランスとしスピーカーをモニターオーディオのPL-300にしてみました。これまで真空管アンプでPL-300は難しいと思っていましたが、そんな過去の呪縛から解き放たれたかのように伸び伸びした美しい音を奏でました。びっくりです。難は低音ですが、周波数特性が悪いわけではなくダンピングファクタが低い、すなわち低域の制動力が弱いというだけなので低音楽器の音はちゃんと再生します。ただ、低音域を土台としてピラミッド型に組み上げられた楽曲は苦手です。

6V6GT(EH)ULppアンプとニュープライムのD級アンプとの比較ですが、前者は柔らかく肌触りが良い音、後者は少しざらついていますが明瞭でエッジがきいた音です。リー・リトナー＆デイヴ・グルーシンの「Brasil」を聞いてみました。前者はボサノヴァに代表されるブラジルミュージックとして聞こえます。同じレコードなのに後者は70年台のフュージョンミュージックに感じられます。前者は高域に輝きがあり、後者は低域に迫力があるのでこのような印象の差が生じたと思われます。

6V6GT(EH)ULppアンプは眠気を誘うほど (^^) 気持ちよく聞けます。これで低域の制動力があって出力が大きければD級アンプからメインパワーアンプの座を奪うことができるのですが．．．。

PL-300を使ってバイワイヤーを試してみました。音の粒々がはっきりして前後左右が明確で立体的な音場となります。しかし、アンプの個性をそのまま出してしまうようで、ボーカルのシ音（歯擦音）が気になったりピアノの高域の打鍵音がうるさかったりします。