考察ーーーADCの製作
【音質】
まずADコンバータのディジタル出力をDG-58に直接入力しました。解像度は高いのですが低音に力がなく少しガッカリです。あわてて発振器とマルチメーターを使って周波数特性を確認しました。もちろん、異常はありませんでした。原因はよく分からないのですが、採用したオペアンプOPA1656の個性によるものかもしれません。
次にDDコンバータのMUTEC MC-3+USBをDG-58との間に入れてヒアリングしてみました。下図の接続となります。S/PDIF(BNC)は2964ケーブルを使った音光堂の製品で接続しています。
前述のDG-58に直接入力した場合と比べると明らかに音質向上が確認できました。低音の力不足も若干改善されています。さらに、MUTEC MC-3+USBのワードクロックをBrooklyn DAC+に入力したところ、クリアさがより向上し音の粒だちが明確になりました。中低音は質量を伴って飛んでくる印象です。しかし、依然として音のボリューム感は不足しています。
MUTEC MC-3+USBを使うことでかなり良くなりましたが、低音不足を感じる細身の音質はなんとかしたいと思います。改善するためにアナログ基板を再製作することにしました(次回以降に内容を掲載予定)。
【失敗したところ】
1)レベルシフト回路ですが、ADCチップから2.5Vが出ていてこれをオペアンプを介してレベルシフト回路オペアンプのプラス端子に入れていました。しかし、レベルシフト回路はゲイン1の反転アンプですから、出力を2.5Vを中心にして振るためにはプラス端子には半分の1.25Vを入れるべきでした。みっともないのですが、ADCチップから出ている2.5Vを分圧する回路をユニバーサル基板上に作り込み、ディジタル基板とアナログ基板の間に入れることになりました。
2)サンプリング周波数を切り替えると大きなザーッという雑音が出てきます(下図参照)。びっくりしてあっちこっち調べたのですが、周波数切り替えの信号をディジタル基板からフロントパネルのロータリースイッチまで長く引っ張ったことが原因だと思われます。ディジタル基板近くで周波数を設定すると雑音は出てきません。電源投入時は安定しているのでしばらくはこのまま使うつもりです。
3)アナログ基板をバックパネル近くになるようにしたので、XKRコネクタの取り付けネジの片方(下側)が基板と干渉して取り付かないという
ことになりました。XKRコネクタは2つそして4連VRもありと固定箇所が多いので基板がガタガタすることはありません。
4)サンプリング周波数が192KHzの時、レコード盤に針を落とすと左チャンネルから下図のような低周波の雑音が発生します。ウーファーが激しく揺れるので不安になります。どこに原因があるのか調べるため、アナログ基板とディジタル基板との信号を左右入れ替えてみたのですが現象は同じで左チャンネルだけです。この現象が発生しているのはディジタル基板の中だということになります。ディジタル基板は2枚製作したのですが、どちらも同じ現象が発生します。部品不良ではなさそうです。雑音の大きさがレコード盤によって違うことから、レコードのソリや偏心が原因で発生する低周波成分が何らかのルートでADCチップに影響しているのだろうと思います。しかし、どこに原因があるのか全く分かりません。48KHzと96KHzでは発生しないのでこのまま使うことにします。
5)上記のディジタル関係のトラブルですが、基板設計に原因があるかもしれません。内層に配置した電源/グランドとICチップの端子をビアで接続しているのですが、その数が少なすぎると思いました。1端子あたり4〜5個ぐらいは欲しいところです。さらに、小さな基板の中で内層を複数に分割したため、せっかくの4層板の効果が薄れてしまっているのではないかと思います。基板サイズを大きくすれば良いのですが、100mm四方を超える大きさになると基板のコストが数倍に跳ね上がるので仕方ないところではあります。また、配線を除いた余白部分に関しても、面倒くさがらずにグランドで埋めることが必要だったかもしれません。10MHzを超える周波数で動作しているわけですから、基板の設計には細心の注意が必要であった反省しています。
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