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2022/11/22

フォノアンプ のヒアリングーーーメーカ製アンプとの比較

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メーカー製10万円台のフォノアンプ(オプションを含めると約20万円)と比較してみました。システムの構成は下図の通りです。比較したメーカー製アンプのゲインは60dBで入力の負荷抵抗は330Ωです。私が製作したアンプは、2SK2145を3パラ接続した差動増幅回路とADA4898を組み合わせたヘッドアンプを搭載しトータルゲインは60dB、負荷抵抗480Ωにしています。

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(1)松任谷由実「悲しいほどお天気」から【緑の町に舞い降りて】



(A)メーカー製フォノアンプ
写真をやっている方ならご存知と思うが、記憶色という人間の頭脳の中で思い描いている色がある。このアンプから出てくる松任谷由実の声はまさしく音楽のそれである。あの時聞いたあの音楽があの時の音質で蘇ってくる。安心してユーミンの音楽に身を任せていける。

(B)自作フォノアンプ
糊を効かせたワイシャツのように、出だしの楽器が明瞭ではっきりした音なので驚いてしまう。松任谷由実の声が少しハスキーに聞こえるのは分可能が高いことの裏返し?かもしれない。これまで長く聞いていたイメージから離れた音質なので最初は戸惑うが、次第にオーディオ的な気持ち良さが支配的になっていく。




(2)キャンディス・スプリングスの「The Women Who Raised Me」から【I Put A Spell On You】



(A)メーカー製フォノアンプ
各楽器とボーカルの分離が少し悪いかなという印象を受けたが、デヴィッド・サンボーンのサックスとキャンディス・スプリングスのボーカルが絡むところでは渾然一体となってかえって好印象。しかし、全体的にはサラッと流れてしまいこの曲のおどろおどろしい雰囲気が感じられなかった

(B)自作フォノアンプ
分解能がよく楽器およびボーカルが空間的に分離されている様がよく分かる。そのためか、デヴィッド・サンボーンのサックスとキャンディス・スプリングスのボーカルは若干距離があるように聞こえる。しかし、この曲が狙っている方向性がよく表現されていて、オーディオ的にも音楽的にも素晴らしい感動が得られる。




(3)フレディ・ハバードの「MISTRAL」から【Now I've Found Love】



(A)メーカー製フォノアンプ
各楽器間の分離が少し悪くて、パーカッションなどの細かい音が埋もれている感じを受ける。フレディ・ハバードのフリューゲルホーンの音色も今ひとつである。しかし、低域が充実していてピラミッド型のバランスでフュージョンミュージックを心地よく聴かせる。エレキベースのソロパートが量感を持って響きオーディオ的な気持ち良さが感じられる。

(B)自作フォノアンプ
この時期のアート・ペッパーは、メロディラインは上手くこなすもののアドリブになるとすぐトリッキーな音に逃げてしまいがちだ。フレディ・ハバードはそれに合わせてトリッキーな音を出したり中盤のメロディをペッパーに任せたりして優しくサポートしている。それが手に取るように分かる。このLPを手に入れて40年経つが、このような二人の関係性を感じたのは初めてである。




(4)松尾明の「and alone」から【Marcellina】



(A)メーカー製フォノアンプ
ベースのソロ部分は細かなディテールより量感を前面に押し出した音である。これはこれで聴きやすさを持っているし、ベースという楽器に対して我々が持っているイメージを表現していると思う。シンバルの音はやや小ぶりで輝きも控えめである。

(B)自作フォノアンプ
ベースを演奏する指の動きや弦が弾かれ振動している感じ、胴鳴りがとても細やかに再現されている。低音は、体全体を包み込むようなフワッとした量感を持ったものではなく、質量を持った硬い石つぶてとなって体に飛んでくるイメージである。シンバルは音像も大きく輝かしい音である。この盤の録音の良さを最大限に引き出していると思う。




(5)宮間利之&ニュー・ハードの「テイク・ジ・A・トレイン」から【Take The "A" Train】

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(A)メーカー製フォノアンプ
よくまとまった音であるが今一パンチ不足である。解像感もあり低域もしっかり出ているが、さらっと演奏が流れていく印象である。ビッグバンドの演奏でも録音された年代やそのバンドの個性によってフォノアンプ の評価が変わってくる。マーティ・ペイチ辺りだとこちらのアンプの方が好印象だったりする。

(B)自作フォノアンプ
管楽器の弾けるようなサウンドがスピーカーから飛び出し演奏が始まる。目の前にステージが現れたような、1975年のその場にタイムスリップしたような素晴らしい音場が再現される。聴感上のSNがよく各楽器の分離も明瞭である。ベースが良い仕事をしていることがはっきりと聞き取れ、リズムセクション全体のノリの良さが感じられる。ピアノから始まりトロンボーン、トランペット、サックスと続くソロも秀逸。演奏が終わって思わずスピーカに向かって拍手をしてしまった。



 

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