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2022/11/18

フォノアンプのヒアリングーーーオペアンプの音質比較

ここまで説明してきたフォノアンプは、2SK2145差動増幅回路とADA4898を組み合わせたヘッドアンプ基板を搭載しています。並行してオペアンプ単体で構成したヘッドアンプ基板も製作しました。比較試聴できるようにオペアンプは交換可能にしてあります。今回の記事はこれらヘッドアンプ基板を交換しながらヒアリングした結果の報告です。

Photo_20221118095201


ヘッドアンプの基本回路は下図の通りです。抵抗、コンデンサ等の部品は同じものを使用しています。プリント基板の形状も同じで、ヘッドアンプの基板を交換して音質確認を行いました。

Jfet
Photo_20221118095301


音質比較したオペアンプは4種類です。

Ada4898(B) ADA4898




Opa1656(C) OPA1656



Ada4625(D) ADA4625


Opa827(E) OPA827



ヒアリング環境は下図の通りです。

Photo_20221118095701


◯ 視聴レコードの一曲目は、ウィリアムス浩子「My Room The LP vol.2」から【My Favorite Things】です。


(A)JFET3パラ+ADA4898
高分解能で鮮烈な音である。ボーカルが宙に浮かんでいる感じでベースのソロ部分のリアルさが素晴らしい。ソプラノサックスの音色もきつくなる一歩手前で美しい。電源を入れた瞬間からノイズが少ないことが分かる。SNの良さが音楽を空間に浮き出させるのに役立っていると思う。レコードの溝にここまで情報が入っていたのかと驚かされる。

(B)ADA4898
ソフトで聴きやすい。各楽器の鮮烈さは無い。ボーカルは優しく綺麗に聞こえるが、(A)のような表情がわかるほどの繊細さと分解能はない。

(C)OPA1656
低音がしっかりしていてピラミッド型の音場がを形成する。その結果、ベースの音が明瞭であるがボーカルは控えめに聞こえるので、この手のジャンルでは不満を持つ方もいるかもしれない。分解能は(B)と同等か少し良いくらいで、どの楽器も落ちこぼれなくバランスも良く聞こえる。

(D)ADA4625
(C)の低音を弱くして全体に帯域を狭くしたような音である。メリハリ無く聞こえるのでさらっと聞き流してしまう。この音だけを聞いていれば、こんなものかと思って音の優劣は気にならないかもしれない。

(E)OPA827
電源を入れるとSNが良く無いのがわかる(ノイズが多い)。分解能は他よりは少し落ちる。音場は平面的でメリハリがなく音楽を楽しめない気がする。

(A)>>(B)=(C)>(D)>(E)



◯ 二曲目はウエザーリポート「Mr.GONE」から「Young And Fine」です。



(A)JFET3パラ+ADA4898
ウエザーリポートの万華鏡のような音楽がスピーカーとスピーカーの間に鮮やかに再現される。楽器間の分離が素晴らしくよく、立体的な音場を構築している。それぞれの演奏者の動きが手に取るように分かり、曲が終わるのが寂しく勿体無く思われた。

(B)ADA4898
(A)の角を少し丸めたような感じに聞こえる。鮮烈さは減少するが聴きやすさにはつながる。楽器間の境目が曖昧になって平面的に聞こえ、なんとなくさらっと1曲終わっちゃったという感じである。

(C)OPA1656
(A)の角をほんの少し丸めた感じであるが(B)よりは角がとんがっている。シンセサイザーの音が若干丸くなるが、逆にバスドラやベース、サックスの音がしっかり主張している。これによって低音がどっしりと感じられ、よく言われるピラミッド型の音場になっている。(A)のような分解能や鮮烈さは無いけど、これはこれでバランスよく聴きやすい音である。

(D)ADA4625
これまでの3つと比べると明らかに分解能がよく無い。楽器間の分離が悪く平面的である。(C)のような聴きやすさというのではない。聞き手の望む音空間ではない。

(E)OPA827
分解能はほどほどであるがシンセサイザーを筆頭に各楽器がしっかり主張していてメリハリがあって好ましい。ただ、音場は平面的でこの曲の独特の躍動感はあまり感じられないのが残念である。

(A)>>(C)>(B)>(E)>(D)



◯ 三曲目は鈴木勲トリオの「Blou Up」から「Like It Is」です。


(A)JFET3パラ+ADA4898
生々しい楽器の音がガツーンと飛んでくる。ベースのソロではスピーカの間に音像が大きくそびえ立つ。ピアノのカンカンという音が脳みその真ん中で響き渡る。シンバルのバシャーンという音がスピーカーの枠を飛び出して広がる。レコードに入っている音を余すことなく増幅していると思う。

(B)ADA4898
全体として(A)に近い雰囲気である。ピアノはカンカンと響かずにポロンポロンとなっているが鮮度は落ちていない。ベースのソロは背骨がピシッと立っている感じで量感もあり好ましい。シンバルもバシーンと景気よく鳴るので気持ちいい。

(C)OPA1656
他のオペアンプから一歩抜きん出た音である。(A)にとても近い音である。ベースのソロではスピーカの間に音像が立ち上がるが気持ち小さく感じられる。ピアノのカンカンという音が脳みその真ん中手前ぐらいで響く。シンバルのバシャーンという音がスピーカーの枠を飛び出して広がるが少しだけ丸みを帯びている。

(D)ADA4625
まとまっていて聴きやすい音である。ベースのソロでは解像感が今一歩で細かな表情が見て取れないものの他の楽器とうまくバランスしている。ピアノのカンカンという音はポロンポロンという風に音色変更していて耳馴染みが良い感じ。シンバルのバシャーンという音はそれなりの大きさだが角は少し丸くなっている。

(E)OPA827
このような鮮度の高いソースに対してはやや能力不足の感がある。全体に曇ったようなくすんだ音である。ベースは解像度がよく無いのでボソボソという感じに聞こえる。ピアノのカンカンという音はクリアさが不足気味で脳みその入り口にとどまっている。シンバルの音はスピーカーボックスの幅を超えて広がらない。

(A)>>(C)>(B)>(D)>(E)


参考までに歪率のデータを掲載します。

2sk2145ada4898 2SK2145+ADA4898


Ada4898_20221118100601 ADA4898


Ad4625 OPA1656


Opa827_20221118100701 OPA827




アルバムアートを掲載するためAmazonアソシエイトを利用しています。



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