電源ユニットの構成と電源トランス
上図は電源ユニットの回路構成図です。+9Vの安定化電源回路は、将来ADコンバーターを製作するときのために搭載しています。アンプユニットとはケーブルで接続します。アンプユニットには、上記の±15Vリップルフィルタの出力を受けてアンプ回路に±12Vを供給する安定化電源を搭載します。
電源ユニットで使用するTOYOZUMI製電源トランスを測定しました。
LTSpiceでシミュレーションするためのパラメータを計算します。下図はHT1812のものです。
得られたパラメータを使用してシミュレーションしました。
200mAの負荷電流を流し±20Vの整流出力が得られます。
次にヒューズの容量を決めるため出力を短絡するシミュレーションを行いました。
定常時とショート時の一次側電流を読み取っています。
電源投入時の突入電流については、参考文献に同じトランスを使って計測した結果が載っています。電流のピーク値は、180°で切断し0°で投入した場合に無負荷で7.5A、負荷ありで6.5Aと記されています。0°で切断し0°で投入した場合は2.2Aで、この値は上記シミュレーション結果とほぼ一致します。
Littelfuse Inc.の218シリーズから315mAを選択しました。突入電流のワーストケースまで考えると400mAか500mAを使ったほうが良かったかもしれません。
参考文献:
中林歩.”電脳時代の真空管アンプ設計--第3部 電力増幅回路1.3 トランスのパラメータの求め方”.Ayumi's Lab..2016-03-07.http://ayumi.cava.jp/audio/pow/node4.html,
遠坂俊詔.電子回路シミュレータSIMetrix/SIMPLISによる高性能電源回路の設計.CQ出版社.2013-06-25.p.61−71.
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