Audirvana を導入する
今の私のシステムは所謂ネットワークオーディオと呼ばれるものですが、その前PCオーディオを試していた時期がありました。PCに再生ソフトを入れUSB出力をDACに接続するという構成です。10年前になります。その時使っていたPCはMacBookで、再生用ソフトにはAudirvana Plusを使っていました。ちなみにDACはフェーズメーションのHD-7A192でした。
思った音が出なかったのでネットワークオーディオの方に行ったのですが、ここ数年再びPCオーディオが勢いを増しているような気がしています。新しく出てくるDACには大抵USB入力が備わっています。オーディオ用のNASやネットワークプレーヤーが高価だという事情もあると思います。
OpenHome Player for OSXやMac版foobar2000を試してみて、PCオーディオの音質がとてもよくなっていることに気づかされました。そこで、以前使っていたAudirvanaの音質は現在どうなっているのか、ということで30日限定の無償版をインストールしてみました。
ダウンロードページへ行きプログラムを入手します。
ダウンロードされた”Audirvana_3.5.38.dmg”を使いインストールを開始します。完了後にポップアップする画面で”Audirvana.app”をアプリケーションフォルダに移動します。
私の場合、下記の警告メッセージが出ました。
指示通りシステム環境設定の”セキュリティとプライバシー”を設定し再起動します。
ソフトを立ち上げるとシンプルな音楽再生画面が現れます。右上にある歯車形状をした設定アイコンをクリックします。
設定画面にあるライブラリで音楽の入っているフォルダを指定します。左下の”+”アイコンをクリックするとフォルダ選択画面が表示されます。私はPC_JAZZと名前を付けた外付SSDにMusicフォルダを作成し音楽ファイルを入れています。フォルダを選択すると自動的に読み込みが始まります。上の方に進捗状況が表示されます。
音楽データの読み込みが終わると接続デバイスを選択するよう指示されます。
USBにつなげたDDCを選択しました。
他に細かな設定があるようですが、ここまでで音楽再生できるようになります。
フォルダービューはありません。タグを使ってアルバムや楽曲を絞り込んでいく思想のようです。しかし、これは個人が管理する音楽ライブラリではとてもとても不便です。私は各楽曲にタグ情報を入力していますが、タグだけでは分類しきれないものが色々出てきます。世界的な”タグ協会”があってタグ情報を統一し、内容をオーソライズし、さらに情報がCDやダウンロードファイルに反映されるというようなことでもない限り、タグといっても所詮各個人が入力するローカル情報であってフォルダで分類するのと何ら変わりはありません。
iPadから操作するためにAudirvana Remoteをインストールしました。アップルストアから無料でダウンロードできます。
PC側でAudirvanaが立ち上がっていないと下記の画面になります。
下図がホーム画面ですが、味気ないですね。
アルバム選択画面です。
Audirvana Remoteはリモートデスクトップ的なソフトです。PC本体のAudirvanaと同期して動作します。片方で操作した内容がもう片方に反映されます。ただし、表示内容が不十分だったり動作が不安定だったりで、DLNAやOpenHomeが提供するコントローラー並みの使い勝手を期待するとがっかりします。
アルバムを表示させている画面でフィルタのタグを追加したり削除したりしているとAudirvanaが強制終了してしまいます。この現象は、トラックを表示させている画面では発生しません。Audirvanaは3.5.44です。2011年製のMacBookAirを使い、OS X High Sierra、バージョンは10.13.6となっています。当然かもしれませんが、Audirvana Remoteでも発生します。ソフトウエアメーカーにとってハングや強制終了は重大インシデントだと思うのですが...。
良い点もあります。OpenHome Player for OSXやMac版foobar2000とは違い、ソースのサンプルレートが変わってもAudioMIdiを設定し直す必要はありません。自動で切り替わります。
もう一点、Audirvanaはギャップレス再生に対応しています。ジャズではあまり不便は感じていませんでしたが、ロックのアルバムやクラシックでは楽曲がつながっているのにぶつぶつと切れてしまい不快な思いをしていました。ネットワークオーディオではOpenHomeに対応したハードまたはソフトでしかできなかったのが、PCオーディオでは当たり前のように可能になっています、
散々文句を言ってきましたが、大切なのは音質です。試聴は下記のシステムで行いました。
Audirvanaの音はWonderful!素晴らしいです。foobar2000との比較ですが、ベールを剥がしたようなクリアな音質で音量を上げてもうるさくありません。ベースの音が明瞭で、ピアノの音が濁らず、ボーカルはバックの演奏に埋もれず一歩前に出たように聞こえます。システムのクオリティがワンランク上がったような、そんな印象を感じます。これなら使い勝手が悪いのを我慢して、音楽プレーヤーとしてシステムに組み入れる価値があると思いました。試用期間が切れる30日を待たずに正規版を購入しました。
試聴ソフト
ニッキ・パロットの「LiKe A Lover」です。ケン・ペプロフスキーとの共演盤となっています。楽器数が少ない分ニッキ・パロットのベースが存分に楽しめます。リアリティのあるベースがうれしい好録音盤です。
ボブ・ジェームス&デヴィッド・サンボーンの「Quartette Humaine」です。とても録音の良い盤です。ベースの低音がグーッと沈み込むのに驚かされます。
フレディ・ハバード&アート・ペッパー の「Mistral」です。ビッグネームの二人が共演して、しかもフュージョンを演奏しているというのは他で聞けません。4曲目”Now I've Found Love”がお気に入りです。40年前の作品とは思えない優秀録音盤だと思います。
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コメント
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管理人様
始めまして、googleのaudirvana検索でこちらを知りました。
当方もずっとLightmpdというsystemでnetwork audioをやっておりましたがつい最近dirretaを導入しました。
そこで最近当方のmailに「audirvana本」という日本限定版の買取ライセンス方式の案内が来ました。
試しにトライアル版をDLして設定しました。
ここで御質問ですがこのsoftの音源はNasは使用出来ないのでしょうか?
それ共外付けのHDD専用になるのでしょうか?
恐縮ですが御教示頂けましたら幸甚に存じます。
投稿: ccr246 | 2022/03/11 15:54
ccr246様
コメント、ありがとうございます。
「audirvana本」はサブスクではなく買取なので私も導入を検討しています。
まだ導入前なのでご質問にはお答えできないのですが、
現在使用しているバージョン3.5ではNAS上の音源を使用することができます。
ただし、事前にFinder上でNAS にパスを通しておく必要があります。
私はMACを使用しているのでWindowsではどうなのか分かりません。
以上お答えになっていないかもしれませんがご容赦ください。
投稿: コーちゃん | 2022/03/12 20:38
管理人様
お忙しいところご返答ありがとうございます。
何せsupportが今市なのでこの問題ひとつとりましても難儀します。
現在外付けHDDで試聴中です。
JRMCはNasを認識しますので全く問題りません。
投稿: ccr246 | 2022/03/12 21:04
管理人様
お世話になります。
本件自己解決致しました。情報誠に有難う御座いました。
投稿: cc246 | 2022/03/14 14:08