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2020/12/01

EAGLE入門 第五章【ライブラリ】 マイライブラリの必要性とライブラリ作成の流れ

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(1)マイライブラリの必要性とライブラリ作成の流れ


◎ マイライブラリの必要性

私はプリント基板設計に使う全ての部品を”マイライブラリ”に登録するようにしています。EAGLEで用意されている標準ライブラリにはたくさんのデバイスが登録されています。わざわざ自作する必要はないように感じられると思います。それでも私が”マイライブラリ”を作成するのは以下の理由からです。



①フットプリントはインチスケールで作成されていることが多いため、ミリスケールで寸法表示されている実際の部品と微妙に合わないことがある。ドリル径については、製造現場はミリなのでEAGLEの図面がインチだと端数が出てしまう。

②部品の足を挿入するスルーホールのランドは片面基板と両面基板で大きさを変える必要がある。EAGLEのライブラリにはどちらの仕様なのか明記されていない。

③面実装部品のパッドはリフローが前提のため寸法が小さい。自作の場合は手半田になるので半田ごてを当てるスペースが必要で、その分だけ大きなパッドを用意しなければいけない。

④ロジックやオペアンプ等の基本的なICは登録されているが、それ以外のIC(例えばMOSドライバー、DAC)については新規に作成する必要がある。

⑤スルーホールに関して配線密度に最適化されたランド径を選択したい。その際、ランド径とパターン幅を0.254mmの整数倍にすると、図面が見やすくなりギャップ不足とかのミスが減る。

 

⑤を具体的な例で説明します。下図はドリル径0.6mm直径1.27mmのランドを2.54mm間隔で並べ、間に0.254mmのパターンを2本通したものです。いわゆる10分割2本通しです。ディップICのピン間を想定したものです。ドリル径は最大0.8mmまでOKだと思います。

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下図はドリル径0.8mm直径1.524mmのランドを2.54mm間隔で並べ、間に0.508mmのパターンを1本通したものです。ドリル径は最大1.1mmまでOKだと思います。

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工夫すれば2.54mm間にパターンを3本通すことも可能です。




◎ ライブラリ作成の流れ

ライブラリ作成に関する画面を説明します。EAGLEのライブラリに入っている正電圧レギュレータ”78*”を題材にします。”linear.lbr”をハイライトし、表示されるメニューから”Open”を選択します。

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下図の一番上に示したライブラリ管理画面(Table of contents)が開きます。

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青で囲ってあるペインがシンボル(Symbol)です。上部ツールバーの”Symbol”アイコンをクリックするとシンボルエディタを開くことができます(下図左下)。

オレンジで囲ってあるペインがフットプリント(Footprint)です。上部ツールバーの”Footprint”アイコンをクリックするとフットプリントエディタを開くことができます(下図右下)。

緑で囲ってあるペインがデバイス(Device)です。上部ツールバーの”Device”アイコンをクリックするとデバイスエディタを開くことができます(下図中央)。

デバイスエディタ画面で、”Add part”アイコンをクリックしてシンボルを呼び出し、”New”ボタンをクリックしてフットプリントを呼び出し、”Connect”ボタンをクリックして両者を関係付けます。



詳細について次回以降説明していきます。





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