20W/4Ω D級アンプ IXDN630の使いこなし
XDN630のデータシートには、Vh(min.)=3.5V、Vl(max.)=0.8Vという記載があります。しかし、これには電源電圧18V以下という条件があります。Input Threshold vs. Supply Voltageというグラフも載っていますが、Typ.値なので実際はどうなのか実験をして確かめてみました。
下図は実験回路です。
下の写真は実験の様子です。
下の写真は電源電圧20Vで500KHz4Vppの入力を加えた時のものです。上が入力電圧波形、下は出力電圧波形です。安定しています。
下の写真は電源電圧を25Vに上げた時のものです。動作が少し怪しくなってきました。
下の写真は電源電圧を30Vにした時のものです。不安定です。
下の写真は電源電圧30Vで入力の電圧を5Vppに上げたものです。安定になりました。
次にIXDN630の3ピンとグランドの間に0.1オームを挿入してその両端の電圧波形を観測してみました。上が入力電圧波形、下が0.1オーム両端の電圧波形です。
上の写真から、IXDN630はスイッチング時にブリッジ回路の上下が同時に動作するタイミングがあり大き目の貫通電流が流れることが分かります。
貫通電流が大きいため電源電圧を上げていくと激しく発熱します。今回使うヒートシンクは水谷電機のBPUE36-30です。このサイズですと電源電圧(+Vsー-Vs)は24V以下に抑えた方が良いと思います。
レベルシフト回路の実験とシミュレーションから、IXDN630の入力容量は20pFから30pFぐらいあると推測されます。PWM波形の立ち上がり時間と立ち下がり時間の差を小さくするため、入力端子と並列に接続される抵抗はできるだけ小さい値を選びたいところです。
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