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2019/02/05

まとめ 
  DG-58を使ってリスニングルームの音響を改善する

スピーカの設置からイコライジングまでDG-58を用いたリスニングルームの音響改善について私流のやり方を説明してきました。


スピーカの配置例を五つ、イコライジングの調整パターンを一つ紹介しましたが、実験した配置や調整パターンはその何倍もあります。一ヶ月間、音楽ではなく”ピー”や”ガー”の調整音ばかり聞いていました。そこから見えてきたことを列挙してみます。


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1)スピーカの配置と部屋の使い方


◯スピーカの周りには空間が必要
 部屋の横使いでそのことを強く感じました。後方はもちろんですが、できれば左右にも空間があった方がよいと思います。スピーカとスピーカの間にはラックを置かない方が絶対によいです。スピーカとスピーカ、スピーカと壁、これらで構成される空間が音場の形成に重要である、という事に今回気づきました。


◯部屋の横使いはよい解決策になり得る
 100Hz以下の周波数で大きな谷が見受けられません。これはちょっとすごいことです。この帯域を整えるために高価なルームチューニングの機材を導入している方も多いようです。私の部屋では良い特性がでませんでしたが、条件さえ整えてあげれば縦使いより簡単によい音が得られるのではないかと思います。


◯ニアフィールドリスニングに可能性を感じる
 ニアフィールドの定義というのをよく知らないのですが、私は勝手に正三角形の頂点より前で聴くことと理解しています。音楽に対してガツンと向き合って聴く人だけのものと考えていましたが、試しに測定してみたところとても良い特性が得られびっくりした次第です。スピーカからの直接音が多くなるためと考えられます。定在波で苦しめられているような部屋でも良い結果が得られるはずです。




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2)イコライザー


◯イコライザーの重要性
 良い特性を求め部屋の中を隅から隅まで探し回っても、周波数特性に±6dB〜±9dBの山谷は必ず発生します。我が家でイコライザーを使わないと、低音ブーミーで中音スカスカ、高音シャカシャカに聞こえます。これをDG-58を使って補正しなんとか聞ける音にしています。ボーカルや楽器のリアリティが増し、大げさですが音楽の楽しさが倍増します。


◯フラットな特性では音楽が楽しくない
 DG-58は、部屋の特性を整える音場補正と好みの音を作りだすイコライジングの二つの機能を使って音響特性を整えます。初めに音場補正機能を使い概ねフラットな周波数特性にするのですが、そこで得られた結果のままでは、音を分析的に聞くのには向いているでしょうが音楽は楽しく感じられません。電気信号と同じ感覚で音響特性もフラットの方がよいと考えていましたが、それは間違いであることに気づきました。


◯イコライジングは難しい
 下図は私が使用しているイコライジングカーブです。前回のブログで紹介したものです。


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このイコライジングカーブを適用すると、8割ぐらいのソースで心地よさやノリの良さが増し好ましいと感じられます。しかし、この設定は万能ではありません。少し違和感を感じるものが出てきます。良くない例を紹介するのは気がひけるのですが、イコライジングが難しい例として紹介したいと思います。


その1はカーペンターズ” Singles 1969-1981 ”の8曲目「This Masquerade」です。



               


ボーカルとベースがセンターに位置しているのですが、100Hz付近が持ち上がっていることでベースの存在が大きくなり、カレンがベースの後ろで歌っているように聞こえます。ボーカルものは低音楽器と声の関係が非常にクリティカルだと感じました。


その2は大西順子” WOW ”の3曲目「B-RUSH」です。



               


ドラムスとベースがセンターにカチッと定位しピアノがその周りを蝶のように華麗に舞い飛ぶという雰囲気なのですが、ベースとピアノの主従が入れ替わってしまい、アゲハ蝶がモンシロ蝶にシュリンクしてしまったかのように感じます。


低音過多なので、100Hzを中心とした山のレベルを下げれば解決すると考えてしまいます。しかし、イコライジングの難しいのは、一箇所をいじると他の帯域も影響を受けてしまうという所にあります。私のイコライジングカーブで100Hz付近を1dBほど下げると、高域にメリハリがなくなり全体に沈んだ感んじに聞こえます。ほんと、難しいです。



イコライジングが難しいという例をもう一つ紹介します。下図は私が作成した三山のイコライジングカーブをDG-58のWIDE BAND MODEを使って滑らかにしたものです。山谷の周波数は合っていますが各周波数のレベルは少し異なっています。このカーブを適用すると、女性ボーカルの声が上ずって聞こえ使いものになりませんでした。


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3)あきらめていること


◯心地よい響き
 部屋の中は極めてデッドな空間になっています。スピーカの位置を越えた左右の広がりやアコースティック楽器のうるおい感は少ないと思います。同じ10畳でも壁が漆喰で適度な響のある友人の部屋が羨ましく感じる時があります。好きな音楽ジャンルがジャズやロックなので、”これでよいのだ”と自分に言い聞かせています。


◯部屋の中で特性が違う
 マイクを立ててイコライザー調整をしているので、リスニングポジション以外の場所では低音が強調されたり高音が強調されたりして、真っ当な音が聞ける場所は限定されます。松任谷由実の「やさしさに包まれたなら」ではないですが、「音楽に包まれたなら」というような心地よさのある空間にはなっていないです。広い部屋でゆったり聞いていらっしゃる方が羨ましいと思います。







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コメント

MICでの検出点は、如何されましたか?
1Kの1波長は約33cmですね、16cmズレると定在波の山と谷が入れ替わります。
1/3OCT、ピンクノイズでの補正だと、バンドごとの平均化補正でしょうか?
是非、MIC検出点を変えての試験をお勧めします。

テーマは変わりますが、真空管動作のシミュレーションで、
グリッド電流はいかがされていますか?
エミッション電流は小さいですが、熱電子初速度電流はそれより2桁は大きいようです。

魚田様

コメントを頂き、ありがとうございます。

マイクの位置ですが、スピーカ間が2mで正三角形の頂点に置いています。
部屋の寸法も含め2019年1月8日のブログに掲載してありますのでご覧ください。

DG-58の測定信号はワーブルトーンです。
ピンクノイズに関してのご指摘がありましたが、測定機器の持ち合わせがなく、また得られた結果に満足していることもありこれ以上の技術的追求は行ないませんでした。


真空管を使ったシミュレーションですが、
シミュレーションモデルは中林歩氏が作成したものをそのまま使っています。
私が作成したものではなく、モデルの詳細な構造や設定値については分かりません。
中林氏はホームページで電子掲示板を運営されていますので、質問されると回答いただけるのではと思います。


明快な回答となっていませんがご容赦ください。

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