EL34/6CA7聴き比べ その1
EL34/6CA7 3結 プッシュプルアンプ
聴き比べをする前に球のバラツキを確認しました。LTC6090の特性を確認した際のユニバーサル基板を流用し、シングルアンプを製作して真空管の状態を確認しようというものです。タンゴの名品XE−20Sを使っています。手持ちがこれしかなかったので利用しましたが、もったいないです。
回路図です。
測定している様子です。ヒータはHP製の安定化電源から供給しています。その他の電源は今回製作したEL34/6CA7アンプから供給します。B電圧は404Vです。
下図は測定したデータを表にしたものです。ゲインは(球+トランス)、すなわち出力段のみの値です。
ペア内のバイアス電圧は5%以内に収まっていて問題ないです。しかし、メーカ間でのバラツキが大きく驚きました。
歪率も良いものと悪いもので倍違います。Ep−Ip曲線の傾きや間隔の違いが影響していると思います。当然ですがゲインも違ってきます。
SvetlanaのEL34(Cロゴ)は電圧の差が10Vもあります。本当に同一の真空管なのだろうか、と内部を覗き込んで確認しました。結果は下記の写真です。
2007年購入のもの 2017年購入のもの
ゲッター容器(プレート)の形状と角度が異なります。それによりゲッタの蒸着場所も違います。さらに、同じに見えるプレートの形状ですが、2枚の板の溶接ポイントに微妙な差があるように見えます。また、寸法は2007年購入品の方が若干長くなっています。明らかに途中で設計変更が行われたものと思います。ラジオ技術の写真から推測すると、私が2007年に購入した品物の方が古い設計と思われます。
参考文献:
都来往人、EL34/6CA7のすべて、アイエー出版「ラジオ技術」、2001年3月号、p.46−54
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