放熱パッド付きICの取付方法
EL34/6CA7 3結 プッシュプルアンプ
電圧増幅段と±70V電源に使用するLTC6090は露出パッド付きのSOICパッケージです。
放熱パッド形状によって熱抵抗がどのような値になるか、データシートを見ると大体の検討がつきます。
プリント基板CAD EAGLEを調べましたが、半田付けまで考慮した部品ライブラリはありませんでした。下図のような回路図シンボルとアートワークパッケージを作成しました。
ICは8ピンですが、回路図シンボルに露出パッドとして9ピン目を加えました。因みに、露出パッドはマイナス電源端子(4ピン)と内部でつながっています。
アートワークパッケージの部品面に大きな放熱用パッドを設けました。この部分にはレジストがかからないので露出パッドを直接半田付けできます。ほんとはデータシートのように部品面と半田面の両方に放熱用パッドを設けたかったのですが、EAGLEはパッド上にスルーホールを設けることができないので、ハンダ面の放熱用パッドはアートワーク設計の中でなんとかするという方針です。
下図はEAGLEの作業画面です。パッド上にスルーホールを設けることができませんから、パッドから離れたところに16個のスルーホールを置き部品面とハンダ面をつなげました。太めのラインとポリゴンを用い、できるだけ銅箔の面積を大きくするようにしています。
下の写真は出来上がったプリント基板を拡大したものです。露出パッド直下で部品面とハンダ面をつなげた方が放熱が良いと思います。
部品面
半田面
次は半田付けの方法です。下の写真のように、露出パッド下の位置にハンダを少量溶かし置きます。クリームハンダでなく普通のハンダでOKです。
LTC6090をパッドの上に置き、レジストのかかっていないところをハンダで温めます。写真には写っていませんがピンセットでICの上面を押し付けます。はんだごての温度は400度強(HAKKOのFX-888)ぐらいです。10秒から20秒ぐらいでピンセットの先がカクッと沈みこむのが感じられます。露出パッドの下でハンダが溶けはじめています。一呼吸置いて半田ごてを離します。
下の写真の状態になりますから、残り8ピンを半田付けします。フラックスを塗ったほうが良いと思います。
プリント基板の半田付けには拡大鏡が欠かせません。下の写真は私が使っているテラサキ株式会社のメガビュープロLED-Nという製品です。定価は9800円(税抜き)です。これと全く同じ意匠のパチモノが1/10の価格で売られています。不正競争防止法違反で訴えれば勝てるように思いますが...。
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