電圧増幅段用電源の設計
EL34/6CA7 3結 プッシュプルアンプ
電圧増幅段に必要な電圧は、DC±15VとDC±70V2種類です。
DC±15VとDC±70Vに用いるトランスはフェニックスに仕様を出して作ってもらいました。巻線はAC14V/0V/AC14VとAC60V/0V/AC60Vで、容量はそれぞれ0.2Aです。
下の写真は納入されたトランスを測定しているところです。
容量はDC±15VとDC±70Vそれぞれ100mAあればよいだろうということでトランスの仕様を決めました。細かな値は回路図を描いてから計算することにします。
トランスを測定した結果が下図になります。
14V巻線を使った整流回路をシミュレーションしました。
シミュレーション回路
シミュレーション結果
整流後の直流電圧は18.9V(リップルの下側)、リップル電圧は0.26Vppでした。
DC±15Vの安定化回路にはストロベリー・リナックス社から出ているモジュールを使用しました。
DC+15Vにはテキサスインスツルメンツ社TPS7A4700を使用したものを、DC-15Vには同じくTPS7A3301を使用したものを採用しました。
次に60V巻線の方をシミュレーションします。
シミュレーション回路
シミュレーション結果
整流後の直流電圧はリップルの下側で80.2V、リップル電圧は0.28Vppでした。
DC±70Vの安定化回路は、本ブログに掲載した真空管アンプ電源の”±78V電源の設計と実験”と基本的に同じですが、下記の変更を加えました。
・基準電圧を10V(専用IC)から30V(ツェナーダイオード)に変更
・オペアンプを±70V耐圧のLTC6090に変更
・トラッキング電源をプラスマイナス独立電源に変更
シミュレーションで安定性を確認します。出力コンデンサはニッケミKMG100V470μです。”インピーダンス測定 コンデンサの特性”で測定した値を利用しています。
シミュレーション回路
シミュレーション結果
シミュレーションログファイル
位相余裕は78.9degあり問題ありません。その時の周波数は26.2KHzです。
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