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2018/04/06

アンプ全体の特性をシミュレーションする 
  EL34/6CA7 3結 プッシュプルアンプ

電力増幅段と電圧増幅段を接続してシミュレーションしてみましょう。
.MEASコマンドと.FOURIERコマンドを使って特性を読み取ります。



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               シミュレーション回路


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               シミュレーション結果(AC解析)


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               シミュレーションログファイル(AC解析)


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               シミュレーションログファイル(過渡解析)



シミュレーションの結果です。
  最大出力 : 15.2W (7.8Vrms) (入力215mV(0-P))
  歪率   : 1.4% (THD)
  ゲイン  : 33.9dB (1KHz)
  カットオフ: 38.9Kz (-3dB)

最大出力と歪率は出力段のみをシミュレーションした時と同じ値です。




次にNFBをかけます。計算式は下図の通りです。



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β回路の抵抗定数は360Ωと4086Ωと計算されました。4086Ωは、3.9KΩと180Ωを直列にして近い値に持っていきます。


スタガー比がそれほど大きくないので微分補償を行って安定度を高めることにします。β回路と並列に入るキャパシタの値を{Cf}としてパラメトリック解析をします。周波数特性で高域に現れるピークの大きさから最適値を求めることにします。



Photo_7

               シミュレーション回路


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               シミュレーション結果(AC解析)


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               シミュレーションログファイル(AC解析)


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               シミュレーションログファイル(過渡解析)



キャパシタの値は180pFが適当なようです。


NFBを14dBかけた時の結果です。
  最大出力 : 15.8W (7.9Vrms) (入力1130mV(0-P))
  歪率   : 0.27% (THD)
  ゲイン  : 19.9dB (1KHz)
  カットオフ: 220Kz (-3dB)

歪み率がキッチリ−14dB(1/5)になっているのが分かります。




次にNFBの安定性をみます。NFBループを切ってそこに発振器を挟み込みシミュレーションを実行し、発振器マイナス側の電圧をプラス側の電圧で割ってループゲインを得るという方法です。



Photo_11

               シミュレーション回路


Photo_12

               シミュレーション結果


Photo_13

               シミュレーションログファイル



位相余裕は59degでした。OKレベルだと思います。





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