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2018/03/09

電力増幅段の特性をシミュレーションする 
  EL34/6CA7 3結 プッシュプルアンプ

電力増幅段のシミュレーションを行います。



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出力トランスはタンゴのXE−60−5を使う予定ですが、ここではほぼ同一サイズのタムラ製作所F2021でシミュレーションしました。技術評論社から出版されている中林歩著「真空管アンプの「しくみ」と「基本」」のCDに入っているモデルを使用しています。

実際のアンプと同じように、カソードに電流検出抵抗10オームを入れました。この10オームと出力トランスの抵抗分があるためプレートとカソード間の電圧が下がります。そこで,
プレートとカソード間の電圧を400Vにするため、電源電圧V1は404Vとしました。

バイアス電圧V4が−33Vではなく−32.5Vになっていますが、これは10オームにおける電圧ドロップが約0.5Vあるためです。

これら回路条件でフルスイング(グリッドとカソード間の電圧がゼロまでスイング)する場合の入力電圧V2は34.3V(0ーP)となりました。

シミュレーション結果は下図の通りです。過渡解析で最大出力電圧と歪率、AC解析でゲインとカットオフ周波数を求めました。




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               過度解析の結果



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               過度解析のログファイル



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              AC解析の結果



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               AC解析のログファイル


シミュレーションの結果です。
  最大出力 : 16W (8Vrms)
  歪率   : 1.9% (THD)
  ゲイン  : -10.1dB (1KHz)
  カットオフ: 136.2Kz (-3dB)

最大出力は合成特性曲線で求めた値の80%となりました。プレート電流とプレート・カソード間の電圧が合成特性曲線と同じ値まで振れていないことと、出力トランスのロスの影響があると考えています。



次にカソードNFをかけた回路をシミュレーションします。下図が回路図になります。



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KNF付き回路でフルスイングするために必要な入力電圧は45.4V(0ーP)となりました。



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               過度解析の結果



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               過度解析のログファイル



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               AC解析の結果



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               AC解析のログファイル


シミュレーションの結果です。
  最大出力 : 15.2W (7.8Vrms)
  歪率   : 1.4% (THD)
  ゲイン  : -12.6dB (1KHz)
  カットオフ: 167.7Kz (-3dB)

小さくなったゲイン分がNFとして働き、歪率と周波数特性が改善されています。

電源電流は、平均140mA、ピーク180mAでした。




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