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2018/02/02

LTspice入門 
真空管モデルを使ってDC解析(.DC)

EL34Tのプレート特性を、LTspiceのDC解析を使って描いてみます。横軸がプレート電圧、縦軸がプレート電流(+スクリーン電流)になります。


まず、EL34がちゃんと組み込まれているか確認します。LTspiceXVIIを立ち上げ新しい回路図を開きます。次にツール・バーの”Component”ボタンを押しSelect Component Symbolの画面で[MyDevice]をダブルクリックします。



Photo


下記の画面でEL34Tが確認できます。



Photo_2



EL34Tを選択して”OK”ボタンを押し、回路図に配置します。
電源とグランドを配置して配線します。



Photo_3



次に電源の設定を行います。V1の上にポインターを持ってきて右クリックし下記の画面で値を入力するのですが、DC解析ではこの値をスイープして解析するので、ここで入力した数値に意味はありません。どのような値が入っていてもOKですが、何も入力せず配置したままだとシミュレーションした時にエラーログが開きます。ここでは400Vと入力しました。



Photo_4



引き続きV2の設定を行います。



Photo_5


次にシミュレーション条件を設定します。メニュー・バーからSimulateをクリックした後Edit Simulation Cmdを選択します。下の画面の中から”DC sweep”ペインを選びます。



Photo_6



DC解析では複数の電圧(電流)源を変化させて解析することが可能です。真空管のプレート特性を描くにはプレート電圧(V1)とグリッド電圧(V2)の両方を変化させなければいけません。

まずプレート電圧V1の設定を行います。

Name of 1st source to sweepの欄に”V1”と入力します。
Type of sweepは”Linear”です。
Start valueは”0V”、
Stop valueは”500V”、
increment(きざみ値)は”0.1V”です。

プレート電圧を0Vから500Vまで0.1V刻みで直線的に変化させる、ということですね。


次にV2の設定を行います。



Photo_7



Name of 1st source to sweepの欄に”V2”と入力します。
Type of sweepは”Linear”です。
Start valueは”0V”、
Stop valueは”−35V”、
increment(きざみ値)は”−5V”です。

グリッド電圧を0Vから-35Vまで5V刻みで直線的に変化させる、ということです。


回路図入力が終わりました。



Photo_8



ツール・バーの”Run”ボタンを押すとシミュレーションが開始されます。終了すると下記の画面になります。



Photo_9



プロットペインの上にポインターを持ってきて右クリックすると下記の画面がポップアップしますから、”Add Traces”を選択します。



Photo_10



プレート電流(Ix(U1:Plate))を選択して”OK”ボタンを押します。回路図上でポインタを真空管のプレート付近に持っていきポインタの形が電流プローブに変化したところで左クリック、でも同じ結果になります。



Photo_11



プレート特性が表示されました。



Photo_12



次に、プレート損失のカーブを追加してみましょう。プロットペインの上で右クリックし、”Add Traces”を選択します。



Photo_13



Expression(s) to addの欄に”30W/V1”と入力します。V1に関しては、キーボードから文字入力しても良いのですが、Available dataの中の表示をクリックすることでも同じ結果が得られます。EL34の3極管接続ではプレート損失とグリッド損失の和が最大30Wと規定されています。



Photo_14



”OK”ボタンを押すと下記の画面になり何も表示されませんが、ここで慌ててはいけません、縦軸の目盛が正しくないだけです。



Photo_16



縦軸の目盛の上にマウスポインタを持っていき、表示が定規になったところで右クリックします。下記の画面が出ますから適正な値を入力します。


Photo_17



プレート特性とプレート損失のグラフが出来上がりました。



Photo_18



下図はデータシートに記載されたプレート特性とプレート損失のグラフです。



Photo_19







 

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