はじめに
EL34/6CA7 3結 プッシュプルアンプ
電波技術誌1971年9月号の表紙は、桝谷英哉氏が設計した6CA7プッシュプルアンプでした。出力トランスはラックスのOY36型で他の部品も高級品ばかり、クリスキットとして通信販売されていたものの、中学生の私には手の届かない別世界のアンプに思えました。
社会人になり自作アンプをいろいろ製作するようになりましたが、EL34/6CA7を使ったアンプはいつでも作れると思って後回しになっていました。製作することになったのはEXCLUSIVEのスピーカ2251を購入したときで、相棒として長く使えるアンプが欲しいと思いEL34ULプッシュプルアンプを製作しました。
その後何度か球を変え回路を変えシャーシを変えメインのパワーアンプとして使ってきたのですが、スピーカをMonitorAudioのPL300にしてからは十分に能力を発揮できず二軍生活となってしまいました。
我が家のメインアンプは、自作の2SC5197&2SA1940パラプッシュとなりました。一昨年、メインの座を半導体から奪還するためにKT88プッシュプルアンプを製作したのですが、見事返り討ちにあいました。その後、NuPrimeのSTA-9が主役の座に座り半導体アンプが続きます。メインの座をもう一度真空管アンプにと思い、以前使っていたアンプからトランスを流用し新たなEL34/6CA7アンプを製作することにしました。
設計方針です。
【EL34/6CA7を3極管接続で使用する】
出力は小さくなりますが、音が良いと言われている3極管接続とします。現行管を中心に何種類か聴き比べたいと考えています。
2007年購入のSvetlana製EL34(Wing C)
【以前製作したアンプのトランスを流用する】
モノラル構成とし、出力トランスにはタンゴのXE−60−5、電源トランスには同じくME−275を使います。XE−60−5には専用のKNF巻線が用意されていますのでこれを使うこととします。B電源は安定化して400V前後とします。出力20Wを目指しますが、少し無理かもしれません。
タンゴXE−60−5
タンゴME−275
【電圧増幅段にはLTのLTC6090を使う】
電源電圧±70Vのレールtoレールオペアンプです。放熱パッド付きのSOICパッケージなので、実装には一工夫必要になります。
インスツルメンテーションアンプを使って位相反転します。スルーレートが高くないこともあり、電圧増幅段の周波数特性を電力増幅段の周波数特性より低く設定しスタガ比をかせぐことにします。
電圧増幅段の電源にはRコアトランスを使います。
Linear Technology製のLTC6090−5
【NFBを14dBとする】
NFBの適量は14dBである、と上杉佳郎氏が主張しているのを何かの記事で見ました。それを思い出して、管球王国Vol.29の製作記事(EL34Tpp)を見たところ、NFB量はやはり14dBでした。KT88では20dBのNFBをかけ安定性の問題で苦労したこともあり、今回のNFB量は14dBにしたいと思います。仕上がりゲインは20dB、ダンピングファクタは10以上欲しいで
す。
【シミュレーションツールを活用する】
LTspiceを用いて電力増幅段、電圧増幅段、電源の各回路をシミュレーションし設計に役立てます。
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EL34/6CA7 3結 プッシュプルアンプ(2018.02.23)
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