LTspice入門
真空管モデルをライブラリに組込む
上図は技術評論社から出版されている中林歩著「真空管アンプの「しくみ」と「基本」」です。この書籍に真空管モデルの入ったCDが添付されていて、今回はこれを使います。
中林氏のホームページからも同じ内容がダウンロードできます。また、トランジスタ技術2017年5月号添付のCDにも中林氏の作成した真空管モデルが入っています。
下図はEL34の三極管接続モデルを一部抜き出したものです。マクロモデルであることが分かりますね。
中林氏のモデルはPspice向けに書かれているようで、2乗は”^”で表記してあります。LTspiceでは”**”なので、テキストエディタの置換機能を使って変更します。私はMac上でmiを使って変換しました。
C:¥Users¥ユーザー名¥Documents¥LTspiceXVII¥lib¥subの中に作った自分専用フォルダ MyModel に格納します。
次にシンボルを用意するのですが、LTspiceにはなんと真空管のシンボルが標準で用意されています。
まずLTspiceXVIIを立ち上げ新しい回路図を開きます。次にツール・バーの”Component”ボタンを押し、その画面の中から”Misc”をダブルクリックします。
後ろのほうにある「triode」を選択し”OK”ボタンを押します。
回路図の上に配置します
素子の上で右クリックすると下記のウインドウが開きます。
左上にある”Open Symbol:”ボタンを押すと下図のシンボルエディタ画面に切り替わります。
シンボルの上で右クリックし、ポップアップした画面でAttributesからEdit Attributesを選択します。
下記の画面が開きます。
Valueの欄をEL34Tに書き換えます。
Descriptionの欄に素子の特徴を書き込みます。
ModelFileの欄にEL34Tモデルファイルの保存場所を書きこみます。
Windowa環境の場合は、
C:¥Users¥ユーザー名¥Documents¥LTspiceXVII¥lib¥sub¥MyModel¥EL34T.lib
と書きます。
私のMAC/Parallel環境では以下のようになります。
¥¥Mac¥Home¥Documents¥LTspiceXVII¥lib¥sub¥MyModel¥EL34T.lib
必要項目を入力したならば、上図で”OK”ボタンを押し「Save As」でシンボルファイルを保存します。
Windowa環境は
C:¥Users¥ユーザー名¥Documents¥LTspiceXVII¥lib¥sym¥MyDevice¥EL34T.asy
MAC/Parallel環境は
¥¥Mac¥Home¥Documents¥LTspiceXVII¥lib¥sym¥MyDevice¥EL34T.asy
とします。
モデルファイルのピン番号とシンボルファイルのピン番号が一致しているかを確認します。
中林氏の作成したEL34Tモデルファイルは以下のようになっています。
1番ピン : Plate として使う
(”A”と表記)
2番ピン : Grid として使う
(”G”と表記)
3番ピン : Cathode として使う
(”K”と表記)
シンボルの方はどうでしょうか?
シンボルエディタ上でシンボルの上にマウスポインターを持っていき右クリックします。ポップアップした画面でViewからPin Tableを選択します。
下記画面が表示されます。
ここから次のことが分かります。
1番ピン : Plate
2番ピン : Grid
3番ピン : Cathode
モデルファイルのピン番号とシンボルファイルのピン番号が一致していることが確認できました。
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