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2017/06/30

真空管アンプ電源
 +460V電源 設計とシミュレーション5

(4)タイマー回路


555をシリーズ接続しています。動作をシミュレーションで確認しました。



Photo


Photo_2



上記の回路定数でTimerAの動作時間は28.9秒、TimerBの動作時間は1.7秒という結果になりました。
TimerAはヒーターのウオームアップ時間になります。TimerBは電源出力の起動時間(=出力コンデンサのチャージアップ時間)となります。



(5)ラッチ回路


ラッチ回路は、負荷に異常が発生した場合、定電流回路が動作した事を検出し一定時間後に定電圧制御回路をシャットダウンするものです。


下図は定電流回路が動作した事を検出する回路になります。



Photo_3



定電流回路が動作すると、オペアンプ出力からコンマ数mAの電流が流れます。この電流をオペアンプの出力に接続したフォトカプラの一次側ダイオードに流し、二次側を検出信号としています。

ダイオードと並列に接続された100KΩと910KΩですが、フォトカプラの逆耐圧が5Vと非常に小さいので保護のため入れてあります。


下図は、シミュレーション回路になります。



Photo_4



フォトカプラの一次側に電流が流れると二次側のトランジスタがオンします。
オペアンプのマイナス入力端子の電圧はR1//R2XC1の時定数で+15Vから徐々に下がっていき、プラス入力端子の電圧より下がった時点でオペアンプ出力はマイナス側からプラス側に反転します。

オペアンプ出力がプラスになると接続されたFETがオンします。
FETのドレインはフォトカプラ出力のコレクタとワイヤードORになっているため、この状態は電源を切るまで保持されます。

この回路は信号のエッジでラッチするのではなく時間(CRの時定数)でラッチするので、ノイズに強く誤動作しにくい回路となっています。

この回路でオペアンプはコンパレータとして動作しています。入力のプラス端子とマイナス端子の間に保護用のダイオードが入っているオペアンプは使用できませんので注意してください。



下図はシミュレーション結果になります。
上記で説明した内容通りの動作となっています。
フォトカプラの一次側に電流が流れてからラッチするまで3.9mSです。



Photo_5






参考文献:
  遠坂俊昭、電子回路シミュレータSIMetrix/SIMPLISによる高性能電源回路の設計、CQ出版、2013、p.158−173
  本多平八郎、作りながら学ぶエレクトロニクス測定器、CQ出版社、2001、p.52−90



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