真空管アンプ電源
+460V電源 設計とシミュレーション3
(2)定電流制御回路
回路は下図の通りです。
制御用素子が整流後のプラス側ではなくマイナス側に接続されていることと、制御素子の構成がインバーテッド・ダーリントン接続になっていることを除き一般的な定電流回路となっています。
下図は定電流制御回路の原理図です。
直流の定電流回路ですから、出力コンデンサのインピーダンスは無限大となって無視することができます。よって、ソースフォロア部の負荷は抵抗分だけになり、動作域の周波数特性に影響するのは比較増幅部のみとなります。比較増幅機は積分回路になっています。
下図は定電流回路のシミュレーションを行う回路になります。排他的に動作するので、定電圧制御回路部も一緒に載せてあります。
まず、ソースフォロア部のゲイン特性をシミュレーションします、オペアンプ出力からFETのドレインまでの特性をシミュレーションした結果が下図になります。
オペアンプ出力に入れたダイオードのVfとインバーテッドダーリントン接続のトランジスタのVbeとが相殺されて、ゲインはほぼ1(=0dB)になっています。
30KHzでゲインが1となるように積分回路の定数を求めます。R=4.7KΩのとき1130pFと計算されますから、
C=1000pFとすることにしました。
下図は定電流制御部全体のゲイン特性をシミュレーションした結果です。積分回路の特性そのものです。
参考文献:
遠坂俊昭、電子回路シミュレータSIMetrix/SIMPLISによる高性能電源回路の設計、CQ出版、2013、p.158−173
本多平八郎、作りながら学ぶエレクトロニクス測定器、CQ出版社、2001、p.52−90
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