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2017年4月

2017/04/28

真空管アンプ電源
 ±78V電源 実験その2

治具のターミナルに2.2μFのフィルムコンデンサを追加したところ、過渡応答の波形に約100KHzの細かな振動波形が現れました。



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確認回路



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コンデンサなしの過渡応答(左)と2.2μF追加時の過渡応答(右)



電源が不安定になって発振しているのかと慌てました。この現象は、電源基板と治具を接続するケーブルのインダクタンス成分が追加した2.2μFとLC共振を起こしているためであると分かりました。


LCRメータで測定したところ、接続ケーブルのインダクタンスは800nHでした。端子や内部配線と合わせて1000nHとしてシミュレーションしたところ、実測の結果と波形が一致しました。1000nHと2.2μFの共振周波数は107KHzです。



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シミュレーション回路



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過渡応答波形



ほんとうに安定性に変わりはないのか、クローズループの特性をシミュレーションしてみましたが、2.2μFの有り無しで変化はありませんでした。



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参考文献:
  遠坂俊昭、電子回路シミュレータSIMetrix/SIMPLISによる高性能電源回路の設計、CQ出版、2013、p.86−157
  本多平八郎、作りながら学ぶエレクトロニクス測定器、CQ出版社、2001、p.52−90



2017/04/25

NuPrime STA-9

これからだんだんと暑くなってきて真空管アンプには辛い季節となります。その対策ということで、メーカ製D級アンプを導入しました。


できるだけ安価でよいものをと探していたところ、NuPrime社のSTA-9というアンプがオーディオ誌で良い評価を受けているのを見つけました。


無線と実験          : MJ Technology of The Year
                      セパレートアンプ部門 4位
ステレオサウンド     : 2016→2017 BEST BUY
                      パワーアンプ50万円未満 4位
オーディオアクセサリー: オーディオ銘機賞
                      パワーアンプ部門 入賞


田舎に住んでいるので試聴は不可能、エイヤッと通販で購入、¥95,000(税抜き)でした。


青の綺麗な箱に入っていました。

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正面は青色のパイロットランプのみです。

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背面はかなり混雑しています。大型のYラグをつなげようとすると大変です。バナナプラグが欲しくなりました。

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スピーカにつなげて音を出した瞬間、全くの別世界が眼前に広がりびっくりしました。
Monitor AudioのPL300を使っていますが、これまでは音がドロドロ、グズグズしていて前に出てこないと感じていました。それが、スピーカコーンが軽くなったかのようにスーと前に出てきます。これまで聞こえなかった音がキラ星のように見えて?きて楽しくなります。スピーカからは若干ノイズ(ジー音)が聞こえるので物理的な特性はよくないのかもしれませんが、音楽を再生するとSNはとても良いと感じさせる鳴り方をします。



昨年の金沢ジャズストリートで素晴らしい演奏を披露し感激したロベルト・オルサーですが、CDではその素晴らしさを感じられず困っていました。このアンプであの感動が再び蘇ってきました。ピアノとベース、ドラムスがスピーカの間に立体的に展開して、演奏に心がぐーっと引き込まれていきます。




          
                             Steppin' Out (Roberto Olzer Trio)



ジャズ批評2017年3月号で、寺島靖国氏が「現代のピアノ・トリオを聴くにはヴィンテージだと無理な部分がある。やはり最新機材じゃないと最新の録音は再生できないんだよね。」と言っていますが、それがやっとわかった気がします。





CDのジャケット写真はAmazonアソシエイトを利用しています。





2017/04/21

真空管アンプ電源
 ±78V電源 実験

下図は回路構成図になります。
電源トランスと整流基板は本番の筐体に組み込むものをそのまま使っています。
実験基板にはユニバーサル基板を使っています。



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下図は回路内各部の電圧を測定した結果です。



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下図はロードレギュレーションを測定した結果です。



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100mA程度の電流を流しても出力変動は非常に小さく、マルチメータで値を観測することはできませんでした。200mA〜300mAは流さないといけないみたいです。ただ、治具のところで測定したデータには電流に比例した電圧低下がみられました。これにより、治具までのケーブルと接続端子、スイッチを合わせた抵抗分が75mΩ程度あることが分かりました。

下の写真は過渡応答を観測したものです。



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+78Vの過渡応答(左)と−78Vの過渡応答(右)
上は0.47μFと100KΩによってDC分を除いた出力波形
下はFETの駆動電圧



収束時間はシミュレーションの結果とほぼ一致しました。安定動作していると言えます。



今回の実験では、出力インピーダンスと出力雑音は環境がなく測定することができませんでした。次の機会には、治具を作成して測定したいと考えています。





参考文献:
  遠坂俊昭、電子回路シミュレータSIMetrix/SIMPLISによる高性能電源回路の設計、CQ出版、2013、p.86−157
  本多平八郎、作りながら学ぶエレクトロニクス測定器、CQ出版社、2001、p.52−90










2017/04/18

Acoustic Weather Report

Weather Reportの曲をピアノトリオで演るというユニークさと、無編集のDSDサウンドのすごさを体験してください!というキャッチコピーで注目されているアコースティック・ウェザー・リポート、私も買いました。



          



コピーではなく新しい解釈とのことですが、原曲を生かしたアレンジが施されていると私は感じました。ベースはジャコ・パストリアスをかなり意識した演奏になっています。でも、それが嬉しかったりしますよね。私のベストトラックはA Remark You Made(お前のしるし)です。


オーディオ的には、寺島レコードのようなかぶりつき感はありませんが、ピアノの音も綺麗ですし低音も何気に強烈です。良い録音だと思います。が、最近のヨーロッパ系のピアノトリオで聴くことができる音場感は少なく、少し平面的に感じました。ただ、私の環境はPCMオンリーなので、DSDで聴くとまた違った感じになるのかもしれません。



CDを買ったということもあり、4月14日(金)金沢市柿の木畠もっきりやでアコースティック・ウェザー・リポートのライブを聞いてきました。



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お客さんは30人ほどで、JAZZ雑誌等で多く取り上げられている割に少ないという印象です。今年の1月から40箇所ほどをまわるツアーをやっているそうです。私が行った日は、11日(火)から17日(月)までの7連戦の中日でした。


ライブは前半と後半、そしてアンコールという構成です。
演奏曲全てがウェザー・リポートの曲かというとそういうわけではなく、テレビ局から依頼されて作曲した番組テーマソングを2曲ほど演っていました。全体にCDのアレンジを忠実に再現していて、後半最後の曲Birdlandで盛り上がり、アンコールはYoung and Fineでシットリ、でした。


もっきりやを出たあと、夜桜を見物しながら帰宅しました。





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Weather Reportですが、私はジャコ・パストリアスが加入した「Black Market」から聞き出して、そのあとは新しくレコード(CDではありません!)が出るとすぐに購入していました。コンサートにも2回ほど行ったことがあります。
好きなアルバムは、平凡ですが「Heavy Weather」と「Mr. Gone」です。


      

            

          
                   Heavy Weather





           
                    Mr. Gone                  





CDのジャケット写真はAmazonアソシエイトを利用しています。



2017/04/14

真空管アンプ電源
 ±78V電源 実験環境

設計した回路を製作し所望の特性が出ているか確認しました。
以前はホーロー抵抗やセメント抵抗をつなぎ変えて測定していました。今回はアルミケースに抵抗やスイッチを組み込んだ簡易的な治具を製作しています。


下図はロードレギュレーションの測定回路です。



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下図は過渡応答の測定回路です。



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FETは手持ちのものを使いました。2SK3564は、900V3AのNチャネルMOSFETです。2SJ407は、−200V−5AのPチャネルMOSFETです。出力インピーダンスを620Ωに調整した発振器を直付してゲートを駆動しています。


下の写真は製作した治具になります。



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少し面倒臭いですが、測定項目に応じて内部の配線を変更します。



今回の実験のためということではないのですが、アナログオシロを導入しました。



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Tektronixの2465Bです。ヤフオクで、出品者がコンデンサを新品に取り換えるなどして整備したものが出ていて、幸運にも相場の半値ほどで落札できました。外装はピカピカでランプも全て点灯しますし画面も明るく、機能的な問題は出ていません。ただ、年代物なので時間軸と電圧軸の精度には難があります。
でも、アナログオシロはよいですね。電子工作をしている、という喜びがじわじわとわいてきます。


過渡応答の測定にはケースレーの発振器3390を使用しました。下の写真は出力インピーダンスを620Ωに調整しているところです。



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下の写真は実験環境?の全景です。



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参考文献:
  遠坂俊昭、電子回路シミュレータSIMetrix/SIMPLISによる高性能電源回路の設計、CQ出版、2013、p.86−157
  本多平八郎、作りながら学ぶエレクトロニクス測定器、CQ出版社、2001、p.52−90






2017/04/07

真空管アンプ電源
 ±78V電源 シミュレーション

設計した電源回路をシミュレーションします。

下図はプラス側のクローズループ特性をシミュレーションした回路とその結果です。
積分回路のコンデンサ容量を2.2pFから100pFまで変化させて解析しました。



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下図はマイナス側のクローズループ特性をシミュレーションした回路とその結果です。



78v1_2



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上記の結果を表にまとめたものが下図になります。



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設計値とは少しずれましたが、大きくは違っていません。
2.2pFから100pFまで変化させても位相余裕は70deg以上あり安定です。




下図はプラス側の過渡応答をシミュレーションした回路とその結果になります。
積分回路のコンデンサ容量を2.2pFから100pFまで変化させて解析しました。


周波数分析機があればループゲインや位相が測定可能ですが、我々アマチュアの場合には矩形波による過渡応答を見て安定性を判断するしかありません。シミュレーションの結果と実測値を照らし合わせて安定性を判断することになります。



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ここで重要なのはピークの電圧ではなくて収束するまでの時間です。収束時間はループゲインの0dB周波数の逆数(周期)とほぼ一致しています。オーディオ帯域が20KHzであることを考えると、0dB周波数にはそれなりの数字が必要であることが分かります。ただ、大容量のパスコンを用いれば実害はほとんどないのではと思います。

下図はマイナス側の過渡応答をシミュレーションした回路とその結果です。



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シミュレーションでもう一つ大切なのは、設計した回路がその通り動作しているかを各部の電圧、電流で確認することです。


下図は、各部の電圧と電流を一覧表にしたものです。特に問題となる箇所は無いようです。



78v




参考文献:
  遠坂俊昭、電子回路シミュレータSIMetrix/SIMPLISによる高性能電源回路の設計、CQ出版、2013、p.86−108、p.130−136
  本多平八郎、作りながら学ぶエレクトロニクス測定器、CQ出版社、2001、p.52−90





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