電源入門
スイッチングレギュレータ
オーディオ装置や測定器等一部の例外を除いて、近年はほとんどの機器にスイッチングレギュレータが使われています。私はロボット競技をお手伝いした時に少しだけかじった経験があります。スイッチング電源というととっつきにくい印象ですが、回路や電子部品を深く知る上でとても良い教材だと思います。
スイッチング電源の分類ですが、基本的にAC−DCコンバータとDC−DCコンバータの2種類に分けられます。
AC−DCコンバータはAC入力を整流してDCにする回路とスイッチングコンバータから構成されます。我々が使う用途では、AC入力とは商用電源の100Vまたは200Vのことです。テーブルタップの上を占拠している"ACアダプター"もAC−DCコンバータです。
DC−DCコンバータはスイッチングコンバータのみです。電池で動作する機器や自動車に搭載される機器には必須の電源となっています。また、最近のコンピュータではCPUやGPUが高速大電力なため素子の近くにPOL(Point of Load)レギュレータという専用のDC−DCコンバータが置かれています。
次にスイッチングコンバータの方式ですが、大きく分けて以下の4種類です。
・降圧型コンバータ
・昇圧型コンバータ
・フライバックコンバータ
・フォワードコンバータ
前二つは非絶縁タイプ、後二つは絶縁タイプです。いずれの方式でもトランジスタやFETがスイッチとして使われていて、そのオンオフの周波数は数10KHz〜数MHzの可聴帯域外となっています。トランスは流す電流の周波数が高いほどコアの断面積が小さくて済むため、電流容量の割にサイズが小さいという印象を持たれると思います。
下図は降圧型コンバータを説明したものです。
下図は昇圧型コンバータを説明したものです。
下図はフライバックコンバータを説明したものです。
下図はフォワードコンバータを説明したものです。
アマチュアにも製作できるのはDC−DCコンバータです。AC−DCコンバータはお勧めできません。
理由の第一は、周囲にノイズを撒き散らかす危険があるからです。
ノイズには、電磁波(放射ノイズ)と電源ケーブルを伝って出てくるノイズ(伝導ノイズ)の二つがあります。発生するノイズの量をこれ以下にしなさいという規制があり、これをEMI(電磁妨害放射規制)と言っています。
一方、受ける方にも規制がありEMS(電磁妨害耐量)と言っています。
EMSに則っている機器は、EMIで規定された規格を守っている機器が近くに来ても誤動作しないということですね。
これらの規制は、米国ではFCC(米国連邦通信委員会)が定める国家ルールですが、日本ではVCCI(情報処理装置等電波障害自主規格協議会)という団体が策定する自主規制ルールです。
しかし、自作のAC−DCコンバータがこれらの規制値を守ることはまず不可能です。家族や近所からテレビやラジオに雑音が入るといったクレームが来るかもしれません。
二番目の理由は、商用電源に直接つながる回路なので危険が大きいということです。家のブレーカが飛んだり感電したりという事も考えられます。
参考文献:
岡山努、スイッチングコンバータ回路入門、日刊工業新聞社
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