KT88pp Version2 設計と実験
(Ⅰ)電力増幅段の設計
今回のアンプは電力増幅段にカソード帰還を採用します。カソード帰還(KNF)は、出力トランスの2次側の信号を出力管のカソードに重ねることで負帰還をかけるというものです。下図は原理図です。
出力管V1のカソードが0Ω端子に、V2のカソードが16Ω端子に接続されています。そして、0Ω端子と16Ω端子との巻線構造上の中点である4Ω端子がグランドに接続されます。ということは、カソード帰還を行わないときと同じアンプ出力を得るには、出力管のグリッド電圧Vinは4Ω出力端子の電圧Vout分大きな振幅が必要になるということです。
NFB量は、カソード帰還ありとなしのグリッド入力電圧の比で計算できます。
20Log {(Vout+Vin)/Vin}
Vout : 4オーム端子の出力電圧
Vin : Voutを得るのに必要なカソード帰還なしのグリッド電圧
前回製作時に測定した結果から、アンプ入力126.4mVの時に4Ωアンプ出力6453mV(10.4W)が得られています。電圧増幅段のゲインは126倍ですから、出力管のグリッドには126.4mVX126倍=15926.4mVが入力されていることになります。これらの数字からNFB量を計算します。
20Log {(6453+15926.4)/15926.4} = 2.95dB
KT88はそれほど効率の良い球ではありませんから妥当な数字と見るべきでしょう。
カソードNFに出力トランスの2次側巻線を使うと、若干ですがスピーカーにカソード電流が流れます。ちょっと気持ち悪いですね。
タムラやタンゴにはカソードNF用の独立巻線が用意されている製品があります。今回使用するトランスではありませんが、下の写真はタンゴのXE−60−5です。CF1、CT、CF2が専用巻線で、カソードNFだけでなくオーバーオールのNFをかける時にも使用できます。
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