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2016/09/02

KT88プッシュプルアンプ 調整と測定(4)

(Ⅲ)発振対策


(ⅳ)積分補償を行う
前回の対策によって電源投入時の発振は無くなりました。しかし、アンプの状態は非常に不安定で、4Ωの抵抗負荷を外しただけで派手に発振してしまいます。


やむを得ません、積分補償を追加することにします。一般的な真空管アンプでは初段に積分補償を加えますが、今回のアンプは初段方向に周波数特性が良いという形式なので、出力段で積分補償を行います。この方式は黒川達夫氏が”出力段位相補正”として発表されています。氏は「無線と実験」誌に多くのアンプ製作記事を発表されていますが、比較的初期の頃に使われていたように記憶しています。技術的な説明は参考文献に詳しいです。

Photo


コンデンサにはマイカやフィルムを使いますが、耐圧がが足りないので2個直列にします。
積分補償を行った時の周波数特性を下図に示します。NFBは外してあります。

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定数は2KΩ+1200pF+1200pFとしました。もう少し周波数特性を下げても(悪くしても)良かったかもしれません。
ラグ板を立ててアンプに実装しました。

Photo_4






(ⅴ)積分補償を行う
さらに微分補償を行います。NFBをかけ、位相補償コンデンサの値で周波数特性がどのように変わるか測定しました。

Photo_5

Photo_6


微分補償のコンデンサは120pFとしました。




(ⅵ)NFBを減らす
ここまでやって、無負荷時の発振は無くなりました。また、4Ω+100nFの負荷も発振せずOKとなりました。

しかし、100nFの容量性負荷をアンプにつなぐと見事に発振します。また、1KHzの正弦波を入力し出力を上げていくと、10Vrms(25W)ぐらいから1KHz正弦波の上に1MHz程度の波形が重畳しているのが観測されます。

万策尽きたという感じで、NF量を20dBから17dBに変更しました。これにより、前記の発振現象は消えました。しかし、100nFの容量性負荷は出力4Vrms(4W)が限界で、これを越えると発振に至ります。安定性は十分とは言えませんが、対策はこれで打ち止めとします。




参考文献:
  黒川達夫、現代真空管アンプ25選、誠文堂新光社、1998、p.106-110



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