KT88プッシュプルアンプ 調整と測定
(Ⅰ)調整
(ⅰ) 電源部
一次側の配線と二次側の整流回路までの配線を済ませてAC100Vを接続し、整流後の電圧が電源トランスの定格電圧の1.4倍前後が出ていることを確認します。
次に安定化電源を一つずつ確認していきます。所定の電圧になるように半固定抵抗を調整しますが、私はデバッグがすべて終わった時点で固定抵抗に置き換えることにしています。今回、電源部に使っている半固定抵抗7個のうち1個にトラブルが発生しびっくりしました。半固定抵抗は機械的な接点がありますから、製造時点で問題なくても流通や保管で不具合品に変化する可能性も有り厄介な代物です。
写真に写っているデジタルマルチメーターはキーサイト・テクノロジー社(旧ヒューレッドパッカード社)の34461Aです。
これまでケースレー社(現在はテクトロニクス社に吸収されている)の2100を使っていたのですが、電源を入れると10分間ほどエラー表示が出て測定できないというトラブルが発生しました。修理費用をホームページで確認したところ、故障内容に関わらず一律八万数千円で、補償期間5年をすぎている個体はプラスアルファが請求されるとのことでした。送料や税金を加えると十万円を越える可能性もあります。因みに、この測定器は8年前に当時のケースレー日本法人から直接購入したものです。
資産管理している組織で税金のメリットがあるのなら修理しますが、個人の場合は購入金額を上回る修理費用を今更支払うのは馬鹿馬鹿しいと思いますよね。ということで、34461Aの購入に至りました。オシロのテクトロ、マルチメータのHPというのは測定器界のブランドです。手に入れられてとても嬉しいです。
(ⅱ) アンプ部
電源を入れる前に、電源とグランド間にテスターを当て異常な抵抗値を示していないかを確認します。電源を入れたならば、素早く各部の電圧を確認します。半固定抵抗を回してバイアス電圧が変化するかを確認し、プレート電流が小さくなる方に半固定抵抗を回しておきます。
次に、発振器を入力につなぎ電圧増幅段の動作を確認します。ゲインが計算通りか、周波数特性がシミュレーション通りかまでチェックできれば完璧です。
プリント基板をアンプケースに組み付け配線を済ませます。テスターを2本の真空管のカソード抵抗それぞれに接続し、電源を入れてバイアス電流調整を行います。今回は少し多めで65mAにしました。電源を投入して10分ぐらいで安定します。
(Ⅱ)測定(NFBなし)
NFBなしの状態で一通りの測定を行います。測定項目は、歪率特性、周波数特性、入出力特性、ダンピングファクタ等です。
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