KT88プッシュプルアンプ 電源の設計
(Ⅰ)全体構成
B電源とヒーター電源は左右チャンネル別々になっています。オペアンプ用の±15Vと±75V、B電源バイアス用の+55Vは左右共通です。整流回路と安定化回路を別基板にしたため、合計7枚のPT基板を一つの筐体に収めることとなりました。+465V安定化基板はEL84アンプで使用したものを流用しています。その他の基板は新作です。
アンプ部と電源部の接続にはEL84アンプと同じコネクタを使いたかったのですが、アンプ部のケース寸法の関係で取付きません。止む無くB電源とオペアンプ用電源を分けることにしたのですが、両チャンネルで6個ものコネクタを使用することになりコスト高となってしまいました。コネクタは、B電源に日本航空電子のN/MS型、ヒータ電源とオペアンプ電源に七星科学研究所のNJW型を使いました。
EL84アンプでは、電源切断時にスピーカから軽いポップ音が聞こえていました。これを防ぐため、B電源に電源スイッチと連動した電荷ディスチャージ回路を設けています。抵抗には25W1KΩのメタルクラッドを使いました。この抵抗は、電源切断時にコンデンサの電荷を熱として消費します。熱容量が大きいセメント抵抗でもOKだと思います。
トランス一次側のヒューズには日本製線株式会社のFSL型(タイムラグ型)10Aを使いました。基板間の接続にはオムロンの端子台を使っています。デバッグ時には基板の取り外しを繰り返しますから端子台は便利なのですが、これも数が多いとコスト高になってしまいます。
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