KT88プッシュプルアンプ 電圧増幅段の設計(2)
KT88をドライブするのはTIのLME49810です。
この石はプッシュプルのエミッターフォロアーが出力段になっていて、コンプリメンタリーのパワートランジスタを接続することでパワーアンプが完成します。半導体パワーアンプに使用すると下記の回路図になります。私はこのTrアンプを製作してここ数年使ってきましたが、高性能で安定したアンプが容易に製作できるのでオススメの石です。音質も満足できるものでしたが、少し暗めに感じるかもしれません。
この石はNDN0015Aという15ピンのパッケージで、ピンピッチが0.965mmという特殊なものです。発熱もそこそこありますからヒートシンクは必須です。
以前半導体アンプを製作した時には、ピンピッチについてはプリント基板を設計してなんとかしましたが、ヒートシンクはTO220用の小型のものを追加工して使いました。
今回の製作でもプリント基板を使用しますからピンピッチはなんとかなります。ヒートシンクをどうしようかと思いネットで検索していたところ、AliExpressで専用のヒートシンクを見つけました。中国恐るべし、です。
LME49810の主な仕様を下記に示します。真空管電力段のドライブにピッタリだと思いませんか?欲を言えば、スルーレートが100以上あればな〜と思います。
参考文献:
栗原信義、AB級30WX2パワーアンプ、誠文堂新光社「無線と実験」、2008年5月号、p.146−158
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