EL84ppアンプ 測定結果
(Ⅰ)入出力特性
最大出力を把握するとき、クリッピングポイントが云々と言いますね。クリップの定義ですが、加銅鉄平氏の「オーディオ用測定器と測定技術」によると、”正弦波の頭が平らに切られる状態”となっています。ハード・ディストーションタイプの特性を持つのであれば判別しやすいのですが、NFなし又は少量のNFをかけた真空管アンプでは平らになる前に波形が丸まってしまうので、別の定義を考えた方が良さそうです。今回製作したアンプでは下記のように考えました。
(ⅰ)歪率が1%を超えた出力
NFなし : 10W
NFあり : 12W
(ⅱ)ゲインが1W時より5%低下する出力
NFなし : 14.5W
NFあり : 15.5W
因みに、1W時のゲインはNFなしで41.1倍、NFありで9.97倍でした。
NF量は12.3dBと計算されます。
(Ⅱ)ダンピングファクタ
ダンピングファクタはAnalogDiscoveryを使って測定しました。ネットワークアナライザーモードとし、負荷ありと負荷なしとで取得したデータをEXCEL上で計算しグラフ化しています。10KHz以上の帯域でグラフが盛り上がっていますが、これは出力トランスのインピーダンス特性の影響を受けているからです。
NFなしで我が家のPL300をドライブするのはおそらく無理でしょう。NFありでは5強の値を得ています。どのように鳴るのか楽しみです。
参考文献:
加銅鉄平、オーディオ用測定器と測定技術、誠文堂新光社、1997、p.177
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