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2015年11月

2015/11/28

EL84ppアンプ プリント基板の設計(4)

 下記は、オペアンプ用電源のプリント基板回路図です。この種の電源回路としてはフル装備です。


Lvrc

 下記は部品面のアートワーク図面です。サイズは、横120mmの縦50mmです。




Lvrt



 下記はハンダ面のアートワーク図面です。電源系のプリント基板は、調整後に可変抵抗を固定抵抗に置き換えられるようにしてあります。


Lvrb



 製造メーカーから届けられたプリント基板です。レジスト色は青にしました。



P7090324



2015/11/25

EL84ppアンプ プリント基板の設計(3)

 下記は、B電源とタイマーのプリント基板回路図です。LEDの点滅回路は、今後のことも考えフォトカプラを使って外部とアイソレーションしています。

Hvrc

 下記は部品面のアートワーク図面です。サイズは、横120mmの縦90mmです。SCT2450KEのヒートシンクの下は放熱のために切り抜いてあります。この切り抜きは、ヒートシンクを外付けする際にネジ止め用のドライバーを入れるのに役立ちます。



Hvrt




 下記はハンダ面のアートワーク図面です。込み入っているように見えますが、電圧差の大きなところは3.2mm以上のギャップを取るようにしています。


Hvrb



 製造メーカーから届けられたプリント基板です。レジスト色は青にしました。


P7090319_1




2015/11/20

EL84ppアンプ プリント基板の設計(2)

 下記は、アンプ部のプリント基板回路図です。使うかどうかわかなくても、念のためにと入れた部品があります。


Ampc


 下記は部品面のアートワーク図面です。サイズは、横100mmの縦60mmです。グランドの引き回しは理想的な一点アースにすることができず、ベタアースにしました。



Ampt




 下記はハンダ面のアートワーク図面です。トランスの引き出し線を基板に取り込み、NFBのルートをできるだけ短くするようにしました。アンプ出力に接続するRC直列回路もプリント基板に実装します。


Ampb



 製造メーカーから届けられたプリント基板です。レジスト色は赤にしました。



P7170395


2015/11/17

EL84ppアンプ プリント基板の設計

 私が使っているプリント基板設計CADは、CadSoft Computer社のEAGLEです。これまでは何世代も前のバージョン(Windows版)を使っていました。最近、新バージョンのMAC版を購入し乗り換えようとしているのですが、操作が異なっていて使いこなしに苦戦しています。それと、ファイル互換が完全ではないです。Windows版とMAC版の違いなのか、バージョンが3以上異なっているからなのか、よく分からないです。

Cadsoft_computer

 EAGLEは紹介記事が多く、Freeware版もあるので多くの方が使っているのではないでしょうか。Freeware版には板のサイズ制限があり、私は少し大きめの基板も製作したいので有償版にしています。その他の無料ソフトですが、GPLのKiCad、P板.comが配布しているCADLUX、RSコンポーネンツが配布しているDesignSparkPCBが有名どころです。もちろん、ある程度の制限が付いていると思います。私はEAGLE以外の製品を使ったことがないので、どれが良いかはわかりません。道具ですから慣れればなんとかなると思います。

 下図は、EAGLEを立ち上げた初期画面です。殺風景ですね。


Eagle


 EAGLEで作成したPT基板の例です。今回のアンプとは違います。


Eagle_2



 先週、EL84アンプ電源部の回路図を掲載しました。今回はアンプ部本体の回路図を掲載します。上がプリント基板の回路図(片チャンネル分)で、下がアンプ部全体の回路図です。前にも説明しましたが、アンプ部と電源部は別筐体としています。




El84ulpp



El84ulpp_2





2015/11/14

EL84ppアンプ 電源の設計(4)

(Ⅴ)試作
 ユニバーサル基板を使って試作してみました。Rコアトランスは150VAタイプです。


Photo



(Ⅵ)熱設計
 各素子の電力損失は下記の通りになります。シミュレーションと実測の間に大きな違いは無いようです。



Photo_2




 FETの熱計算式と結果を下記に示します。


Photo_3


 電源部全体の回路図を下記に示します。トランス一次側のヒューズには日本製線株式会社のFSL型を使いました。タイムラグ型ヒューズです。Rコアトランスの一次側抵抗値が1.7Aでしたので、2.5Aタイプを使用しました。アンプ部と接続するコネクタには日本航空電子のN/MS型を使用しました。DC700V定格のごついものです。


El84ulpp





2015/11/10

EL84ppアンプ 電源の設計(3)

(Ⅲ)タイマー回路
 EL84は傍熱管なので必要ありませんが、B電源の立ち上がりを遅らせるタイマー回路を付け加えました。


 シミュレーションの結果を下記に示します。



Photo

Photo_2

 AC電源投入後、25秒程度で安定化電源が立ち上がります。555を使用した遅延ターマーですが、素子の内部回路から分かるように、電源投入時にTRIG端子電圧がCV端子電圧の1/2より低くないとTHRS端子がディスチャージされたままになり動作しません。各端子に接続される抵抗とコンデンサの値によって、また555の製造プロセスによって変わってきますので、十分な確認が必要です。


 B電源回路図の最終版を下記に示します。ターマー動作中にLEDを点滅させる回路も加えました。使用する酸化金属皮膜抵抗の耐圧を考慮して、2本直列接続としているところが何箇所かあります。555はCMOSタイプを使用しました。


El84ulpp300v


(Ⅳ)オペアンプ用電源
 3端子レギュレータ317と337を使った可変タイプのものです。回路図は下記の通りですが、まず±32Vを作りその出力を使って±15Vを作ります。LED点灯回路を設け、上記タイマーの点滅回路と組み合わせます。


El84ulpp32v



El84ulpp15v


2015/11/07

EL84ppアンプ 電源の設計(2)

(Ⅱ)B電源
 ラジオ技術2007年6月号に、佐藤荘太郎氏が書かれた「汎用3端子レギュレータLM317を使って管球アンプ用高圧定電圧電源を作る」という記事が載っています。当時、EL34パワーアンプを製作していて、これは良いと思い早速使ってみました。記事にある通り温度に対する安定度は今ひとつでしたが、真空管アンプに使うには十分だったと記憶しています。今回は、この3端子レギュレータを応用した安定化電源を採用することにします。
 この安定化電源は、NS社がTI社に買収される前の1980年にMichael Maida氏が発表しています。海外ではmaida regulatorとして有名な回路だそうで、今でもTI社のホームページで源資料を見ることができます。

 この回路の基本動作を下記に示します。

Photo



 シミュレーション結果を下記に示します。LTSpiceには317のモデルが用意されています。ただし、LM317という名称ではなくリニアテクノロジー社の型格LT317Aという名称です。SCT2450KEのモデルはロームのホームページからダウンロードしましたが、デバイスモデルではなくマクロモデルでした。シミュレーションを行うと収束しないことが多く、LTSpiceで用意されていたデバイスモデルSTP8NM60で代用することにしました。今回の目的では結果に大きな差は生じません。


300v

300v_3

     安定化電源の入力と出力        LM317の出力と入力、FETのソースとゲート



 317のADJ端子に220Ωを介して接続されている1μFは、電源の立ち上がり速度を遅くする(所謂ソフトスタート)働きがあります。R11(150kΩ)は、317が負荷電流3.5mA以上を推奨しているため入れてあります。電圧設定抵抗R7とR8と合わせて3.5mAです。シミュレーションでは必要ないと思いますが、ゲート抵抗R5は発振防止用です。
 本回路では240mA負荷の条件で、488ms後に70%まで立ち上がり、1.8s後に100%となります。各部の電圧は、Voutが300.1V、317の入力が303.6V、FETのソースが306.1V、FETのゲートが312Vとなりました。



参考文献:
  佐藤荘太郎、汎用3端子レギュレータLM317を使って管球アンプ用高圧定電圧電源を作る、アイエー出版「ラジオ技術」、2007年6月号、p.57−62


2015/11/04

EL84ppアンプ 電源の設計

(Ⅰ)トランス
 トランスは株式会社フェニックスのRコアトランスを使用しました。

  トランスの仕様決めですが、必要な電流はEL84のデータシートから算出しました。データシートのB1級プッシュプルには、17W出力時のプレート電流が46mA、スクリーン電流が11mAと記載されています。従って、ステレオ2チャンネルの最大出力時の電流は(46mA+11mA)×4=228mAと計算されます。もっとも、2チャンネル同時に最大出力が連続するというのは音楽鑑賞の中ではあり得ません。必要な電圧の方ですが、安定化電源を考えていますので(300V+10V)+αが必要です。

 アンプ側はDCで考えていますが、トランスの仕様はACです。ブリッジ整流におけるDC電流はトランスのAC定格の6割、DC電圧はAC定格の1.2倍ぐらいになるというのが一般的に言われています。ということで、B電源用の巻線仕様は260V0.4Aにしました。その他は、電圧増幅段用として30V0.2A×2、ヒーター用として6.3V5Aを用意することとし発注しました。

メーカから届けられたトランスの測定値は下記の通りです。

Photo_2

 これらの値を用いてシミュレーションを行います。


01

   シミュレーション回路(負荷なし)             トランス二次電圧

02

   シミュレーション回路(負荷あり650Ω=390mA)     トランス二次電圧


 負荷なしの時の電圧は274.4V、負荷ありの時の電圧は258.8Vとなり、メーカ測定値とほぼ一致しました。

 続いて整流回路を接続してDC電圧がどうなるかシミュレーションしました。


03

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      トランス二次電圧                整流後電圧とトランス二次電流


 設計時に想定した最大電流240mA負荷時、トランス出力電圧はAC260Vとなっており目論見通りなのですが、整流後電圧の中心値が342Vと設計時の想定より30V高くなってしまいました。この原因はRコアトランスの巻線抵抗が一般のトランスより低いことにあります。これは想定していませんでした。この結果、定電圧回路の損失が大きくなることが予想されます。しかし、家庭用電源の変動±6Vを考慮するならば妥当な値かもしれません。


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