コンテンツ

トップページ | 2015年10月 »

2015年9月

2015/09/29

EL84ppアンプ 電圧増幅段の設計(4)

 順序が逆になりましたが、オペアンプの電源電圧の設定をします。

 U3及びU4の電源電圧は電力増幅段のグリッドをフルスイング出来るように値を決めるのが基本です。OPA604のデータシートによると、最大出力電圧は(片側電源電圧ー3V)になっています。OPA604の電源電圧最大値はプラスマイナス合わせて48Vですから振幅は42Vp−pとなり、EL84のグリッドをドライブするのに十分な能力を持っていることが分かります。

 EL84の動作例ではバイアス電圧が−14.7Vの時、グリッド入力10Vrmsで最大出力が得られるとなっています。従って、マイナス側に関しては(ー14.7Vー14.1Vー3V=ー31.8V)の電源電圧があればよいことになります。これらの検討結果から、U1とU2(OPA134)は±15Vの電源電圧とし、U3とU4は+15Vと−32Vの電源電圧としました。



 オペアンプを使った回路を設計する際に考慮しなければいけない大切な項目として入力バイアス電流と入力オフセット電圧があります。これらはオペアンプの出力に誤差として現れるので注意が必要です。初段に使うOPA134について見てみます。

 入力バイアス電流は+5pA(typ.)、±100pA(max.)となっています。信号を受ける非反転入力端子に100KΩが入っていますから、抵抗に5pA×100KΩ=0.5μV(typ.)、100pA×100KΩ=10μV(max.)の電圧が発生します。非常に小さく無視してよい値です。

 一方、入力オフセット電圧ですが、データシートでは±0.5mV(typ.)、±2mV(max.)となっています。電圧増幅段のゲインは8.4倍×8.2倍なので、U1とU2に逆相のオフセット電圧が発生すると考えて0.5mV×2×68.9倍=68.9mV(typ.)、2mV×2×68.9倍=276mV(max.)の出力誤差が予想されます。しかし、この程度の値であればバイアス電流調整回路で吸収できますから、オフセット調整回路の必要はありません。

 バイポーラタイプのオペアンプはバイアス電流が大きいため入力抵抗を大きくできないという問題が発生します。そのため、初段の差動増幅回路にFETを使い他はバイポーラとなっている製品が多くあります。今回使用するOPA134もそのような製品の一つです。



 NFBをかけるβ回路についてです。電圧増幅段+電力増幅段のゲインは36.8dBー3.2dBー1.7dB=31.9dB(39.4倍)と見積もられています。仕上がりゲインを20dB(10倍)に設定すると、10=39.4÷(1+39.4β)からβ=0.075と計算できます。この計算結果から、β回路は1KΩと82Ωを組み合わせて構成することとしました。帰還量はちょうど12dBになります。


 電圧増幅段と電力増幅段を合わせた回路図は下記の通りになります。


El84ulpp

2015/09/26

我が家のオーディオシステム

 我が家のオーディオシステムを紹介します。

Audio_2

 入力系統ですが、普段はほぼ100%ネットワーク経由です。メリットは何と言っても使い勝手の良さ、特に音源へのアクセスの容易さかと思います。DMC(Digital Media Controller)にはCreation 5(App Storeで¥720)を使っています。聴きたい曲やアルバムをキューに追加していけば入れた順番に再生してくれます。再生中でもキューに追加することができますから、途切れることなく何時間でも聴いていられます。

 肝心の音はどうなのかと心配される方も多いと思いますが、全く心配ないです(少なくとも私の耳では)。CDプレーヤーを生業にされているメーカーさんには申し訳ないのですが...。

 Audioシステムが置いてある部屋は10畳洋間で、リスニング用に設計したものではありません。音響的には全く整っていませんのでイコライザを使っています。アキュフェーズのDG−58です。イコライザというと拒否反応を示す方が多いと思いますけど、是非試して頂きたい!目から鱗、保証します。

 それと、搭載されているDACが秀逸です。最上位機のDC−901と同じES9018が使われています。一聴するとアキュフェーズらしく控えめな印象を受けますが、じっくり聴くと柔らかいのに非常に分解能が高い素晴らしい音だと分かってきます。

Dg58_2

 スピーカーはMonitorAudioのPL300を使っています。高分解能で分析系の音ですから色気はありませんが、寒色系というほどではありません。しかし、機器の音質の差を的確に表現しますので趣味的には合っていると思っています。本当はJBLの音が好みで、買うときに4365とどちらにしようかと随分迷いました。

2015/09/22

EL84ppアンプ 電圧増幅段の設計(3)

 今回のアンプは固定バイアス方式ですからバイアス電流調整回路が必要です。DCバランス調整も兼ねます。DCバランスとは、プッシュプル動作する2本の真空管のゼロ信号時プレート電流(+スクリーン電流)を揃えることです。2本トータルの電流を設定した上で2本の差がないようにバランス調整するという方式もありますが、本アンプではそれぞれの真空管毎に電流調整できるようにしました。回路図は下記の通りです。

Photo_2

 -32V電源を抵抗で分割してバイアス電圧を得、オペアンプを使ったボルテージフォロアを介して電圧増幅段の2段目にEcとして印加します。R1=5.1KΩ、R2=7.5KΩ、VR1=2KΩとして、-12.9V〜-15.5Vの調整範囲としました。
差動増幅アンプそれぞれ調整しますから、この回路が2つ必要です。

 ペアチューブを使うので必要ないかもしれませんが、ACバランス回路も設けることにしました。ACバランスとは、2本の真空管の交流プレート電流(+スクリーン電流)を揃えることです。すなわち、2本の真空管の増幅率の差を補正するものです。回路図は下記の通りです。

Photo_3
Photo_2    
 2段目の差動増幅回路の片方を上記回路にします。R1=R2=1KΩ、R3=R4=R5=R6=3.6KΩ、R7=16KΩ、VR1=50KΩとして、17.6dB(7.6倍)〜18.9dB(8.8倍)の調整範囲を持たせました。

参考文献:
  岡村廸夫、定本 OPアンプ回路の設計、CQ出版、p.226

2015/09/20

金沢ジャズストリート2015

 昨日から三日間、金沢ジャズストリート2015が開催されています。

 写真は、会場の一つになっている四高記念公園(中央公園)の様子です。無料のコンサートが開かれています。

Photo


 次の写真は尾山神社の境内の様子です。神門の横にステージが作られています。


Photo_2

 有料の催し物ですが、日本人アーティストをメインに据えたコンサートが中心です。今年は出遅れてしまって、コレ行きたいと思った時にはチケットが完売していました。アド街ック天国に登場した中村誠一親娘のコンサートに行きたかったのですが...残念!!!
 北陸のジャズ愛好者人口はとても少ないと言われていて、500席しかない赤羽ホールでもキャパは十分、去年までは当日でも入場できました。これも北陸新幹線効果なのでしょうか?


2015/09/19

EL84ppアンプ 電圧増幅段の設計(2)

 電圧増幅段には、電力増幅段をドライブするために必要なゲインを得ることと、電力増幅段に対して十分なスタガ比を持つこととが同時に求められます。

 電圧増幅段に求められるゲインは概算で36.9dBです。必要なゲインが得られようにアンプ回路の素子と素子の値を按配していき、必要とする帯域を持っているか確認します。得られた周波数特性と出力トランスの周波数特性の比(−3dBカットオフ周波数の比)をスタガ比と考えます。今回のアンプは電圧増幅段をオペアンプを使ったDCアンプとし、これをカップリングコンデンサを介さずに出力段に直結しています。低域の時定数は出力トランスだけですから高域のみを考えればよいです。予定しているNFBは−12dB前後、スタガ比は10程度あればなんとかなるでしょう。ノグチトランスPMF−28P−8Kの高域特性は〜65kHz(−3dB)となっていますから、電圧増幅段には数百KHz中〜後半の周波数特性が求められます。

 U1とU2で構成される1段目にOPA134を、U3とU4で構成される2段目にOPA604を使用することとします。オペアンプのデータシートには(オープンループゲイン/位相 対 周波数)のグラフとGB積(利得帯域積)の値が示されています。これらを用いて設計するアンプの周波数特性を把握し、1段目と2段目のゲイン配分を決めます。OPA134のGB積は8MHz、OPA604のGB積は20MHzとなっています。2段目に使うオペアンプのGB積が1段目より大きいので2段目のゲインの方を大きくしたいところですが、1段目のゲインは2つのオペアンプ出力の差動ゲインなので、オペアンプ1個あたりのゲインは約半分と考えられます。よって、1段目のゲインと2段目のゲインをだいたい同じになるよう設計しました。

  1段目:R1=270Ω、R2=R3=1kΩ → ゲイン:18.5dB(8.4倍)
  2段目:Ra=1kΩ、Rb=8.2KΩ  → ゲイン:18.3dB(8.2倍)

 使用したオペアンプのGB積から、−3dBのカットオフ周波数は1MHz前後になると見込まれす。設計した値で周波数特性がどうなるのか、LTSpiceを使ってシミュレーションしました。

Opa2134_opa604_11
Opa2134_opa604_12  
Opa2134_opa604_13  

 シミュレーション結果ですが、ゲインは36.8dB(1KHz)、高域のカットオフ周波数は958KHz(−3dB)となりました。電力増幅段に対して十分なスタガ比が得られると見込まれます。

2015/09/15

EL84ppアンプ 電圧増幅段の設計

 電圧増幅段はインスツルメンテーションアンプで構成します。

El84pp  

 この回路の特徴は、電力増幅段の真空管に必要な直流バイアス電圧を信号に重畳していることです。回路図では上下の差動増幅回路に同じ電圧Ecを入れていますが、実際には別々に電圧調整可能として印加します。
 1段目差動入力の片方は信号入力となり、もう片方はNFBのβ回路入力となります。それぞれオペアンプの入力端子そのものですからインピーダンスが高く設計の自由度が高くなります。
 ゲインの計算式を下記に示します。
(一般的にオペアンプの計算は、入力インピーダンス:無限大、出力インピーダンス:ゼロ、差動ゲイン:無限大、で考えます)

Photo_2
 1段目U1とU2の出力は差動になっていて、2段目のU3、U4でシングルエンド出力に変換しています。2段目を非反転増幅にすれば、真空管の出力まで差動で行き、出力トランスでシングルエンドに変換することが可能になります。無帰還ならば問題ありませんが、NFBをかけようとすると工夫が必要です。今回の回路では採用していません。



参考文献:
  岡村廸夫、定本 OPアンプ回路の設計、CQ出版、p.226−229

2015/09/12

EL84ppアンプ 電力増幅段の設計(2)

 出力目標が15WでUL接続ですから、動作モードはB級に近いAB級になります。データシートの動作例を基本とし、スクリーン損失の様子を伺いながらアイドリング電流をもう少し増やした動作にします。最終的には実験で決めたいと思います。

 動作例では、アイドリング時のプレート電流は7.5mAなのでプレート損失は2.25Wになり、最大規格の12Wより小さく全く心配しなくてよい値です。出力トランスのインピーダンスも動作例通り8KΩにしましたから、あとは最大出力の見積もりになります。しかしながら、EL84をUL接続したときのプレート特性図は発表されていません。スクリーングリッド電圧を変化させた時のプレート特性図があれば作図可能なのですが、それも発表されていません。下図は5極管接続のプレート特性図です。

El84
 こんな時に頼りとなるのは過去の製作記事です。今回は、ラジオ技術誌に発表されていた竹森幹郎氏の記事を参考にさせていただきました。武末数馬氏の名著も引用しながら、EL84(6BQ5)について詳細に説明されています。
UL接続に関して、以下のことが書かれています。

①最大出力の実測値は5極管接続に対して約15%低下する。
②最大出力の実測値はプレート特性図や理論計算式で求めた値より大きくなる
 その理由は、スクリーングリッドが第二プレートとして働くためである
③電圧増幅度は5極管接続に対して3.2dB低下する
 (前々回、紹介しました)

特に面白いのは②です。スクリーングリッドは出力トランスの43%巻線につながっていて入力波形に追従した電流が流れますから、第二プレートという考え方は当たっているのかもしれません。また、①の通りならば、データシートの5極管接続動作例では17Wが得られていますから、目標の15Wには届かないものの14Wぐらいはなんとかなりそうです。


参考文献:
  竹森幹郎、6BQ5 AB2プッシュプル・パワー・アンプの製作(設計編)、アイエー出版「ラジオ技術」、2009年11月号、p.35−44

2015/09/08

EL84ppアンプ 電力増幅段の設計

 電力増幅段の設計を行う際、データシートの動作例がとても参考になります。EL84のデータシートにはプッシュプルの動作例が幾つか記載されています。

El84pp_2  
  これを見て意外なことに気づきます、それは、固定バイアスでも自己バイアスでも出力値が変わらないことです。普通の出力管であれば、電源の使用効率が良いので固定バイアスの出力が自己バイアスの出力に対して大きくなります。おそらく、EL84は感度の高い低バイアス管のため同じ値になるのだと思われます。そのためもあってか、先輩諸氏の製作記事はほとんど自己バイアスを採用しています。無調整でシンプルな電源回路、プレートの過電流保護も兼ねていて性能は同じとなれば当然かもしれません。

 しかし、今回製作するアンプは前記のメリットを捨てて?固定バイアス方式を採用しようと思います。自己バイアスを採用するとカソード抵抗と並列にコンデンサを入れることになりますが、このコンデンサによってアンプの音色が大きく変化することは誰もが経験することです。確かに、いろいろなコンデンサを試して音色を調整するのは自作アンプの楽しみでもあります。しかし、低域の音質を考えるとカソードコンデンサの容量は数百μF〜になります。この容量だとケミコンを使うことになりますが、ケミコンは音質的なバラツキが大きいという経験則(思い込み?)があって固定バイアスを採用することにしました。
 電力増幅段の回路構成は下記の通りになります。

El84pp_3

 Eb=300Vで考えていますが、厳密には出力トランスの直流抵抗とカソード抵抗があるためB電源から1〜2Vドロップします。バイアス電流をモニターするために、カソードに10Ω(R1、R2)が入っています。スクリーンに入っている100Ω(R3、R4)は電流モニター用です。発振防止のために必要という記事も見かけますが、入っていない製作例も見かけます。グリッドに入っている1kΩ(R5、R6)は発振防止用です。MOSFETや真空管の様に入力インピーダンスの高い素子では寄生容量と寄生インダクタンスによる発振現象が生じやすく、これを防止する目的で抵抗を入れるのが一般的です。グリッド抵抗100KΩ(R7、R8)はグリッドリークとの兼ね合いで値が決まってきますが、カップリングコンデンサと合わせてハイパスフィルタが構成されるのでカットオフ周波数にも注意が必要です。オペアンプ出力を直結するのであれば、もう2桁小さな値でも問題ありません。

参考文献:
  誠文堂新光社「世界の真空管カタログ」


 

2015/09/05

EL84ppアンプ 構想と仕様(2)

今日はもう少し細かい所を決めていきたいと思います。

(1)電力増幅段
 ダンピングファクタを大きく取りたいならば3極管接続になりますが、出力15Wが目標ですからUL接続を選択することにしました。出力トランスはノグチトランスのPMF−28P−8Kです。もちろん、SGタップ付きです。この出力トランスですが、2001年の資料には¥6,800とあります。今は¥11,960ですが、このコアサイズでこの価格というのは良心的と言えます。

(2)電圧増幅段
 EL84はグリッド入力10Vrmsで最大出力が得られますので、オペアンプでも十分ドライブ可能です。高級なDACやCDプレイヤーにもオペアンプが採用されており、音質の良いオペアンプはどれかというような議論も盛んです。今回は、オペアンプを使って電圧増幅段を構成します。
 下の写真は使用を検討しているオペアンプです。OPA604はプラス・マイナス合わせた電源電圧が48Vと高いのが特徴です。真空管ハイブリッドアンプで使われているのをよく見かけます。OPA123は安価ですが高音質と評判のオペアンプです。OPA627は高級アンプに使われていたそうですが、少し高価です。気にしていませんでしたが、全てバーブラウン(今はTI)ですね。

Opa604_01_4 Opa134_01_4 Opa627_01_3
    

(3)ゲイン配分
 5極管接続ではグリッド入力が10Vrmsで最大出力17Wが得られます。4Ω負荷で計算すると出力電圧は8.2Vrmsになりますから、最終段のゲインは−1.7dBです。
 UL接続は一種の負帰還であるという考えがあり、参考文献には、負帰還量は−3.2dBであることが示されています。
 先輩諸氏の過去の製作記事等から、5以上のダンピングファクタを得るには-10dB以上のNFBが必要だと推測されます。本機では−12dBとします。
 NFBをかけた後の仕上りゲインを20dBとしていますので、電圧増幅段には(20+12+3.2+1.7)=36.9dBのゲインが必要と計算されます。

(4)電源回路
 回路規模は大きくなってしまいますが、オペアンプ用の電源だけでなくB電源も安定化します。適当なトランスが既製品に無いので、希望する仕様で巻いてもらおうと思います。株式会社フェニックスのRコアトランスを使うことにします。

(5)実装構造
 Rコアトランスは正直言って鑑賞に堪えない?と思いますので、表に出さずケースの中に実装することにします。アンプ全体を一つのケースに収めるのではなく、電源部とアンプ部は別ケースにするつもりです。
 今回のアンプは、電源部、アンプ部ともPT基板を使って配線します。半田付けの上手い下手に関わらず誰が作っても同じ物ができますから、特性の再現性がよく品質的にも安定するからです。


参考文献:
  アイエー出版「ラジオ技術2009年11月号」 

2015/09/02

EL84ppアンプ 構想と仕様

 ブログで発表する第1作目です。
張り切って記事を書いていきたいと思います。

 アンプ製作は、まず仕様を決めてから出力段に使用する真空管を選ぶ、というのが順序と思いますが今回はEL84(6BQ5)を使います。理由は単純で、手持ちストックがあったからです。いつか使おうと思って秋葉原や通販で真空管を購入しそのままになっている方、多いのではないでしょうか。

 EL84はオランダのフィリップス社が開発したMT型5極管です。EL84はヨーロッパの真空管名称で、”E”はヒータ電圧が6.3Vであることを、”L”は電力増幅用の4極管、ビーム4極管、5極管であることを示しています。日本でも、同一特性管を松下、東芝、NECなどが6BQ5として販売しました。現在でも、JJ ELECTRONICやSOVTEK,ELECTRO HARMONIXで生産販売されており、ペアチューブで¥3k前後と比較的安価に入手可能です。松下や東芝、NECの物も、探せばペアチューブ¥10k前後で入手できるようです。

El84_03

 EL84の特徴は、何と言っても感度が高く小振幅でドライブできることです。そのため、電圧増幅段の設計自由度が高く、所謂ハイブリッド型のアンプも容易に製作可能となります。一方で、プレート電圧の最大値が300Vでプレート損失12Wという制約がありますから、どのような動作をさせるか慎重にならざるを得ません。また、スクリーンの許容損失が小さいことも気にかけての設計となります。

今回のアンプはプッシュプル動作の出力段のみを真空管にして他は全て半導体を使うという構成で進めることにします。動作ポイントや各部の損失についても注意深く確認したいと考えています。


今回製作するアンプの目標仕様です。
   最大出力      : 15W
   歪率         : 1%以下(10W出力時)
   増幅度        : 20dB(10倍)
   周波数特性     : 10〜100KHz(−3dB)
   ダンピングファクタ : 5以上
   残留雑音      : 0.1mV以下
ボサノバやジャズボーカル、70年代の洋楽が楽しく聴けるような、そんなアンプを目指します。


参考文献:
  誠文堂新光社「世界の真空管カタログ」

2015/09/01

ブログ開設のご挨拶

この度、エレクトロニクスとオーディオに関する情報提供&共有の場として、
ブログを開設することに致しました。

主に、アンプの設計とそれに関わる技術的なお話、
そして製作について書いていきたいと思っています。
現在、真空管アンプの設計を始めていますので、
製作記録を兼ねて記事を作成していきたいと考えています。

オーディオに関しては、私自身が新し物好きということもあって、
ネットオーディオやデジタルイコライジングを取り入れています。
これらについても少しづつ紹介ていきたいと考えています。

音楽関係は専門外ですが、
音が良くて楽しめるソースの紹介はできそうです。

皆様のご意見も何なりとお寄せください。
どうぞ宜しくお願い致します。

トップページ | 2015年10月 »