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2015/09/02

EL84ppアンプ 構想と仕様

 ブログで発表する第1作目です。
張り切って記事を書いていきたいと思います。

 アンプ製作は、まず仕様を決めてから出力段に使用する真空管を選ぶ、というのが順序と思いますが今回はEL84(6BQ5)を使います。理由は単純で、手持ちストックがあったからです。いつか使おうと思って秋葉原や通販で真空管を購入しそのままになっている方、多いのではないでしょうか。

 EL84はオランダのフィリップス社が開発したMT型5極管です。EL84はヨーロッパの真空管名称で、”E”はヒータ電圧が6.3Vであることを、”L”は電力増幅用の4極管、ビーム4極管、5極管であることを示しています。日本でも、同一特性管を松下、東芝、NECなどが6BQ5として販売しました。現在でも、JJ ELECTRONICやSOVTEK,ELECTRO HARMONIXで生産販売されており、ペアチューブで¥3k前後と比較的安価に入手可能です。松下や東芝、NECの物も、探せばペアチューブ¥10k前後で入手できるようです。

El84_03

 EL84の特徴は、何と言っても感度が高く小振幅でドライブできることです。そのため、電圧増幅段の設計自由度が高く、所謂ハイブリッド型のアンプも容易に製作可能となります。一方で、プレート電圧の最大値が300Vでプレート損失12Wという制約がありますから、どのような動作をさせるか慎重にならざるを得ません。また、スクリーンの許容損失が小さいことも気にかけての設計となります。

今回のアンプはプッシュプル動作の出力段のみを真空管にして他は全て半導体を使うという構成で進めることにします。動作ポイントや各部の損失についても注意深く確認したいと考えています。


今回製作するアンプの目標仕様です。
   最大出力      : 15W
   歪率         : 1%以下(10W出力時)
   増幅度        : 20dB(10倍)
   周波数特性     : 10〜100KHz(−3dB)
   ダンピングファクタ : 5以上
   残留雑音      : 0.1mV以下
ボサノバやジャズボーカル、70年代の洋楽が楽しく聴けるような、そんなアンプを目指します。


参考文献:
  誠文堂新光社「世界の真空管カタログ」

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