EL84ppアンプ 電圧増幅段の設計
電圧増幅段はインスツルメンテーションアンプで構成します。
この回路の特徴は、電力増幅段の真空管に必要な直流バイアス電圧を信号に重畳していることです。回路図では上下の差動増幅回路に同じ電圧Ecを入れていますが、実際には別々に電圧調整可能として印加します。
1段目差動入力の片方は信号入力となり、もう片方はNFBのβ回路入力となります。それぞれオペアンプの入力端子そのものですからインピーダンスが高く設計の自由度が高くなります。
ゲインの計算式を下記に示します。
(一般的にオペアンプの計算は、入力インピーダンス:無限大、出力インピーダンス:ゼロ、差動ゲイン:無限大、で考えます)
1段目U1とU2の出力は差動になっていて、2段目のU3、U4でシングルエンド出力に変換しています。2段目を非反転増幅にすれば、真空管の出力まで差動で行き、出力トランスでシングルエンドに変換することが可能になります。無帰還ならば問題ありませんが、NFBをかけようとすると工夫が必要です。今回の回路では採用していません。
参考文献:
岡村廸夫、定本 OPアンプ回路の設計、CQ出版、p.226−229
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