EL84ppアンプ 電圧増幅段の設計(3)
今回のアンプは固定バイアス方式ですからバイアス電流調整回路が必要です。DCバランス調整も兼ねます。DCバランスとは、プッシュプル動作する2本の真空管のゼロ信号時プレート電流(+スクリーン電流)を揃えることです。2本トータルの電流を設定した上で2本の差がないようにバランス調整するという方式もありますが、本アンプではそれぞれの真空管毎に電流調整できるようにしました。回路図は下記の通りです。
-32V電源を抵抗で分割してバイアス電圧を得、オペアンプを使ったボルテージフォロアを介して電圧増幅段の2段目にEcとして印加します。R1=5.1KΩ、R2=7.5KΩ、VR1=2KΩとして、-12.9V〜-15.5Vの調整範囲としました。
差動増幅アンプそれぞれ調整しますから、この回路が2つ必要です。
ペアチューブを使うので必要ないかもしれませんが、ACバランス回路も設けることにしました。ACバランスとは、2本の真空管の交流プレート電流(+スクリーン電流)を揃えることです。すなわち、2本の真空管の増幅率の差を補正するものです。回路図は下記の通りです。
2段目の差動増幅回路の片方を上記回路にします。R1=R2=1KΩ、R3=R4=R5=R6=3.6KΩ、R7=16KΩ、VR1=50KΩとして、17.6dB(7.6倍)〜18.9dB(8.8倍)の調整範囲を持たせました。
参考文献:
岡村廸夫、定本 OPアンプ回路の設計、CQ出版、p.226
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